南極物語 1983年有名な高倉健さんの『南極物語』をテレビでやるというので、観てみました。
興味があったんですよね。
話には聞いていたけど、どんな映画なのか。
犬のシーンがすごくよかったです。
人間ドラマの部分は少しだけなんですね。
思ったよりあっさりしていました。
メインは取り残された犬の話なんですね。
けっこう一気に観てしまいました。
WIKIを読むと、色々ととても大変だったんですね。
監督の蔵原惟繕さんはもともと取り残された犬の話の映画を撮りたかったそうで。
なるほど。犬のシーンは大変よかったです。
制作秘話が本当に興味深い
『映画監督の蔵原惟繕と弟の蔵原惟二プロデューサーが長年温めていた企画。
しかし製作費が莫大かかることが予想され製作は進まなかった。 』
『いくらかかるかわかりませんから、どこも相手にしてくれなかった。
当時、東映の社長だった岡田茂さんには「犬がウロウロするだけの映画に客が来るか」と一刀両断されました(笑)。』
『実際の南極観測に同行したのは樺太犬だが、制作当時には既に希少犬種となっていたため、映画では北極圏のイヌイットが飼うエスキモー犬を使った。
エスキモー犬は当時、南極観測に多く用いられていた。
蔵原惟二とドッグトレーナーが北極圏中を探し回り、約800頭と面接し、タロとジロに似た犬を見つけた。
合計22頭の犬を調達し、一頭一頭の性格を見極め、映画に出演する15頭を厳選した。
演技の調教は一切やらず。犬の自由な動きをカメラに収め、編集で芝居を作ろうというのが蔵原監督の方針。
このため犬たちの撮影だけで120時間くらいカメラを回した』
『毎年、南極に入れる人数は国ごとに決まっていて、誰でも行けるわけではなく、南極で撮影ができるのかどうかも分からなかった。
本撮影の前に夏の間だけニュージーランドと南極を往復する観光船に蔵原監督とカメラマン2名の3人が乗船し、風景だけ先に撮影してくることになった。
この撮影で海が猛烈に荒れて南極まで辿り着けず引き返した。船内で転倒した蔵原監督は、肋骨を3本も折る大けがをした。
この後、ニュージーランド空軍の協力を得られ、飛行機に乗せてもらい、南極の素晴らしい映像が撮れ、製作陣のモチベーションも上がった。
南極ロケは約2ヶ月。キャストの中では高倉だけ南極ロケに参加。
撮影隊はリアルな映像を求めて各地へ飛び、南極~北極圏~京都~北海道稚内~南極~東京~北海道紋別~北極圏と飛行距離は約14万キロ。地球を3周半した勘定。 』
『メインのロケ地である北極圏のカナダ・レゾリュート
泊まれる人数は限られており、最小限の俳優とスタッフでロケに臨んだ。
昭和基地のセットは現地で製作したが、極力人数を絞っていたため、通常セットを作る美術の大道具を連れて行ってなく、そこで、撮影助手、照明助手から俳優まで、全員総出でイチから手作りした。温は連日マイナス40度超えで、柱は芯まで鉄のように凍って釘を打ち込めず、無理して打ち込むと釘の方が曲がった。この苦闘により撮影スタッフの心が一つになった。』
健さんは絶句、監督は骨折…映画『南極物語』のヤバすぎる撮影秘話
『週刊現代』2022年8月6日号、講談社 アーカイブ
https://gendai.media/articles/-/98066
『日本国内では1200万人を動員して61億円の配給収入を挙げた。
1980年公開の黒澤明監督の『影武者』の記録を塗り替えて当時の日本映画の歴代映画興行成績(配給収入)1位を記録し、この記録は1997年公開の宮崎駿監督のアニメ映画『もののけ姫』まで、あるいは実写映画としては2003年公開の『踊る大捜査線2』に抜かれるまで破られなかった』
角谷優『映画の神さまありがとう テレビ局映画開拓史』扶桑社 2012年
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E7%89%A9%E8%AA%9E