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2016-06-26

中央アジアの文化遺産2

第二部
カザフは文化資源の話。
カザフスタン北部のボタイ遺跡
ベレル (Berel) 墓地
タムガリ遺跡
サウラン遺跡 オトラル遺跡…などなど

キルギスは文化財の保護の話。
シルクロードの中心地で、パミール~アライルートのほか
北と南にそれぞれ1本ずつ、合計3本のルートが通っているとのこと。
アクベシム遺跡
クラスナヤレチカ
ブラナの塔


山内先生は世界遺産委員会、シルクロードの世界遺産の話。
2014年に登録された
シルクロード:長安-天山回廊の交易路網
について

タジクはアレキサンドリア、独立以前の文字文化の保護、教育・学校の普及、文字資料の収集、アーカイブのデジタル化の話。

トルクメニスタンは5つめの古代文明の話(古代マルギアナ~ゴヌールテペ)。修復、保護のための法の整備。

ウズベクはサマルカンド・ブハラ・ヒワ・シャフリサブスを元に復元するという話。
    他にも王女と建築家の悲恋の遺跡(墓)。
    エルミタージュ美術館で中国の花瓶が発見されたが、実は日本のものだったという話などなど…。
無茶苦茶盛りだくさんで、消化が追いつかない一日でした。


第2セッション: 「文化資源の未来」
ファシリテーター  河東哲夫(元駐ウズベキスタン大使)
Khankeldy Abzhanov(カザフスタン歴史民族学研究所長)
Bakyt Amanbaeva(キルギス科学アカデミー歴史・文化遺産研究所文化遺産課長)
山内和也(帝京大学文化財研究所教授、前・東京文化財研究所地域環境研究室長)
Lola Dodkhudoeva(タジキスタン科学アカデミー言語学・文学・東洋学・文字資料研究所主任研究員)
Muhametdurdy Mamedov(トルクメニスタン歴史文化記念物保護研究修復局長)
Bakhtiyar Babadjanov(国立東洋学大学・アル=ビールーニー東洋写本研究センター首席研究員)


それから強く印象に残ったのは、河東哲夫氏の補足説明が大変面白く、
ファンになってしまいました。
ウズベキスタン・タジキスタン大使などを歴任なさった方だとか。
大変事情をよくご存じで、要領よくまとめて補足説明をしてくれて、
すごく助かりました。
著書もあるとか。読んで見ようかな。


『ソ連社会は変わるか』(サイマル出版会、嵯峨冽名義)
『ソ連の試練』(サイマル出版会、嵯峨冽名義)
『ロシアにかける橋』(サイマル出版会)
『遙かなる大地』(ヴァグリウス社、草思社、熊野洋名義)
『意味の解体する世界へ』(草思社、2004年)
『外交官の仕事』(草思社、2005年)
『ロシアにかける橋―モスクワ広報・文化交流ノート』(かまくら春秋社、2006年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E6%9D%B1%E5%93%B2%E5%A4%AB

バクトリア・マルギアナ複合(オクサス文明)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%82%A2%E3%83%8A%E8%A4%87%E5%90%88

マルグッシュ遺跡(ゴヌール・テペ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Gonur_Tepe
http://ntooffice.blog21.fc2.com/blog-entry-994.html?sp
http://blog.livedoor.jp/saiyutravel-silkroad/archives/51875827.html
http://www.lait.jp/serial/serial_asiaseye415.html
http://blog.goo.ne.jp/sekai-kikoh-2007/e/8e513298c14ac69d07b23c84ee7e46b6

トルクメニスタン政府観光局~世界遺産
http://turkmenistan-japan.com/unesco/

2016-06-25

中央アジアの文化遺産1

中央アジアシンポジウム
ひもとく、つなぐ~中央アジアの文化遺産~

https://www.jpf.go.jp/j/project/intel/exchange/organize/2016/05-01.html

友人に誘われて、行ってきました。
加藤九祚先生の講演以外は
まったく未知の世界で、ちょっと不安はあったのですが…。

加藤九祚先生の最近の著書・訳書と一緒に
『乙嫁語り』が並べられておりました。

まず加藤九祚先生の講演だけは資料が配られまして、
流石に生き生きとした話が聴けて面白かったです。

資料はまず中央アジアの仏教遺跡の地図
古テルメズの地図
カラテパ北丘の地図
カラテパの出土品の写真

もう50回も中央アジアに行かれて、ずっと発掘を続けられて
ダルヴェルジン・テパ、テルメズ、カラテパの発掘
ストゥーパの発見

僧房まで残っているのはここだけ
中庭には防風壁がある~風が強い
とにかく粘土なので、風化が早く、土に還ってしまう
保存の必要性

南の丘の上からはアムダリア川、テルメズが一望できて、素晴らしい光景
というのが印象に残っていて、
先日のNHKの特集番組を思い出して、
その光景が目に浮かぶようでした。

後は中央アジア各国の先生方の話で、
色々と面白かったのですが、
息つく暇もなく流れる同時通訳、
どんどん移されるパネルの写真や地図…
あまりにも目まぐるしくて
とてもメモが取れない~!
待って~!

でも、各地の遺跡の最近の写真なども見られて、
発掘、修復が進んでいるとのこと。
喜ばしい限りです。
保存が急務というのは、皆さんが口にしていました。

ウズベクは南部の新発見の話。
加藤先生の話にも出たカラテパの出土品、ファヤズテパの遺跡・出土品
ダルヴェルジン・テパ、カンピル・テパ、ダルバンド、ウズンダラで出土したコイン…などなど。

タジクは古代シルクロードの4つのルートと、いくつかの遺跡について。
古ペンジケント遺跡、ブンジカット、タフティサンギン、アジナ・テパ…などなど。

梅村先生はシルクロードの全体像について。
蚕が西に仕えられた伝説の絵、
絹の神様、隊商、胡人
ウイグルの朝貢の記録 玉、名馬、宝刀、絹織物、
玉は瑠璃、玻璃、ルビー
シルクロード諸文化の融合の例として、ベゼクリクの隊商の商人の話
デザインの融合の例として水差し、琵琶の話…などなど。

トルクメニスタンは伝統的な芸術、口承文学,英雄叙事詩(ギョルオルグ)の話。
装飾品、絨毯、アハルテケ

キルギスは3つの文化遺産 マナス、semety,seitek?
  英雄叙事詩は「マナス」「セメテイ」「セイテック」の三部から成る
   叙事詩、マナス、神話、英雄談の集大成の話。

カザフは聖地文化とホジャの末裔の話。
多くのイスラーム聖者の霊廟があり、
ホジャの末裔が聖地を守っている。
ホジャといえば、トルコの一休さん、ナスレッディンホジャの話が有名だが、
ホジャというのが、よくわからなくて、まあ、お坊さん?というイメージだったのですが、
今回、かの地では、ムハンマドの子孫のホジャがいるという話が出ました。

第1セッション: 「文化遺産の継承と現在」
ファシリテーター  小松久男(東京大学名誉教授)
Ashirbek Muminov(ユーラシア国立大学教授)(カザフスタン)
Abdigany Erkebaev(キルギス科学アカデミー総裁)
梅村 坦(中央大学総合政策学部教授、公益財団法人東洋文庫評議員)
Saidmurod Bobomulloev(タジキスタン科学アカデミー歴史・考古・民族研究所 考古学部長)
Gyzylgul Kyyasova(トルクメニスタン科学アカデミー言語文学研究所長)
Djangar Ilyasov(ウズベキスタン芸術研究所主任研究員)

<参考>
2007年ウズベキスタン カンピル・テパ調査風景(1)
https://www.youtube.com/watch?v=Sw39NetARYw
2007年ウズベキスタン カンピル・テパ調査風景(2)
https://www.youtube.com/watch?v=3q1UFmYzIIk

タジキスタン観光情報
http://www.tajikistan.jp/tourism.jp.php
ペンジケント遺跡、ブンジカット、アジナ・テパ…
http://isekineko.jp/silkroad-index.html#%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3
ペンジケント http://isekineko.jp/tajikistan-penjikent.html
ブンジカット<イスタラフシャン http://isekineko.jp/tajikistan-istarahusyan.html
アジナ・テパ - isekineko.jp
isekineko.jp/tajikistan-ajinatepa.html
タフティサンギン<Shangri-La vol.17 - MIHO MUSEUM
http://www.miho.or.jp/japanese/member/shangrila/vol17/jshan17_8.htm
タフティサンギン<タジキスタン周遊 8 ヒッサール要塞と国立博物館
http://blog.goo.ne.jp/lunta_november/e/c94898893bce36d0e33dff800c0e594a

Kyrgyz epic trilogy: Manas, Semetey, Seytek
http://www.unesco.org/culture/ich/en/RL/kyrgyz-epic-trilogy-manas-semetey-seytek-00876
マナス (Manas) は、キルギスに伝わる民族叙事詩
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8A%E3%82%B9
マナスから始まり、その子セメテイ、孫セイテクと続く、計8代の事跡をうたう。

マナス 少年篇―キルギス英雄叙事詩 (東洋文庫) – 2001/9
マナス 青年篇―キルギス英雄叙事詩 (東洋文庫)
マナス 壮年篇―キルギス英雄叙事詩 (東洋文庫)
若松 寛 (翻訳)

2016-06-08

先端コンテンツ技術展

友達から案内をいただきました。
なかなか面白そうなのですが、
業者向け?らしく、平日の3日間だけ。
色々と抱えていなくて、自分の都合で時間が取れて、余裕があったら覗いてみたいけど…。
ビックサイトは遠いし。
今は無理かな…。

第2回 先端コンテンツ技術展
「コンテンツ東京2016」内 
東京ビッグサイト
2016年6月29日(水)~7月1日(金)
http://www.ct-next.jp/


エンターテイメント体感ソリューション
体験型シミュレーター
VR・AR・MRシステム
五感拡張ソリューション など

インタラクティブ技術
双方向コンテンツ
音声・感情認識
視線追跡
ジェスチャーコントロール
モーションキャプチャー など

高臨場感映像技術
3Dディスプレイ・ホログラム
ヘッドマウントディスプレイ
ウェアラブルディスプレイ
360°ディスプレイ・カメラ
超高精細ディスプレイ
4K/8Kディスプレイ・カメラ
プロジェクションマッピング など

高臨場感音響、立体音響
ロボット技術
エンターテイメントロボット
コミュニケーションロボット
ヒューマノイドロボット
アプリケーション
AI など

3Dプリンタ、立体造形、フィギュア
3Dプリンタ
3Dスキャナ
3D撮影カメラ
3D画像加工 など
http://www.ct-next.jp/About/Exhibit-Visitor-Profile/

2016-02-12

講座 「知られざる古代都市の秘宝」4

「知られざる古代都市の秘宝」
第2回 後半です。
「べグラム-東西文化の宝箱」 
臺信祐爾( だいのぶ ゆうじ 当館特任研究員)


ベグラムはカブールの北70キロ
ヒンドゥクシ山脈の山間
2つの川の合流地点
カービシーの都
三蔵法師の時代 「異方の奇貨多くこの国に集まる」
バクトリアから南へ、インドへ抜ける南北の道

インドの象牙製品
エジプトの石製品
アレキサンドリアのガラス製品
ローマの青銅器
中国の漆器が出土

青年上半身メダイヨン ギリシア・ローマ風
アテナ女神形分銅 青銅器 もとは調味料入れ? 後に分銅に転用
シレノスのマスク 青銅器 ギリシアそのもの 
魚装飾の円盤 真ん中にメドゥーサ ポセイドンの愛人
       回りに魚が裏から打ち出し
       魚のヒレには裏に重りが付いていて、揺すると動く 

前の巡回展示ガオーストラリアで、受け取りに行った時に、このゆれて動いた感動を伝えたくて、
展示の横にレプリカを作って置いた。実際に動く様子を体験してほしい

ガラスの絵付けはエナメル技法 低温で焼き付ける
アレキサンドリアの名産品
ナツメヤシの収穫の場面か?

ローマ・ガラスで、魚形のフラスコはローマで好まれたが、現物が残っているのは稀

ローマ帝国の宗教習合を表すものとしては
エジプトのセラピスとヘラクレスの立像がある
セラピスはエジプトの黄泉の王で医術の神

エジプトの石製品 アラバスター

インドの象牙製品
  マカラに乗る女性 川の女神?

クシャン朝の冬の都だった
(夏はマトゥラー)

レオグリフ形腕木 浮き彫りが素晴らしい

フランス発掘 出土品は半々

中国の漆器
  張騫が派遣された背景がうかがわれる

『楽しめるように見せる』をモットーにしている
   今回は魚の円盤
   ティリャ・テペの服の復元

『文化なき所に国成り立たず』

現在、九州国立博物館の常設展に展示されているアフガニスタンのもの
   サーサーン朝の銀皿
   ハッダ出土の仏陀像
   石のやじり

2016-02-11

講座 「知られざる古代都市の秘宝」3-2

「アイ・ハヌム-アレクサンドロス大王が造った都市」 
小泉惠英(当館学芸部長)

続き。前半の後半です。

グレコ・バクトリア王国
セレウコス朝のバクトリア太守ディオドトスがセレウコス朝から独立して起こした王国 
インドに侵入してガンリーラを占拠、タキシラを占領した
そしてインド・グリーク王国が成立する
ミリンダ王はメナンドロス1世
ギリシャ人によるヘレニズム系王朝(インド・グリーク朝)の国王だった

アイハヌムはギリシアの植民都市だった
発見の経緯は1961年、国王ザーヒルシャーが狩りをしていた時に
農民から石灰石の建物の一部を献上された
それが、コリント式柱頭だった

アイハヌムはギリシア風の要素とペルシア風の要素が混合している
 
たとえば円形劇場 5000人分
貴賓席がある。~ ペルシア風
ギリシアの劇場には貴賓席はない。

ギリシアは石のみだが、
材料は日干し煉瓦、錬成煉瓦、盛り土も使用さている

ヘラクレス立像 
ポーズ・プロポーション現地風

ヘルメス柱 
普通は頭だけ。
      ここでは上半身
      ストラトンの息子?がヘルメスの姿をしている?

ゼウス左足 でかい 人の2~4倍
      大理石 高度な技術
      両手の断片(大理石)も発見されている
      ただ前進巨大な大理石ということはなく、それ以外は漆喰だったのではないか

刻文皿 「シャクンタラー姫」の話?
     インドに侵入した時に入手?戦利品?

ギリシア語碑文の石
   クレアルコス アリストテレスの弟子
   キネアス アイハヌムの創始者?

   町のど真ん中にキネアスの墓がある 
        他の人の墓は郊外

キュベレーの円盤
  ギリシアと西アジアの融合を表している
  キュベレ トルコの地母神
  ニケとヘリオス ギリシア
  神官 西アジア風
   獅子が馬車を曳いている 
   馬車はペルシア風
  太陽・月・星~キュベレの宇宙
       当時の世界観を表している  

柱頭 チャイハネの使われていた 逆さに


フランス ギメでの展示が最初でわざわざ見に行った
個人的にはこれのメダイヨンが一番驚き

ティリャ・テペ
  インドのメダイヨン
 表?がライオン
            裏?が人と車輪
     カロシュティー文字で「恐怖を追い払う獅子」
               「法輪を転じる者」と書かれている
  「法輪」はダルマチャクラのこと というと これば仏教的なもの?しかもシャカのことか?
    そうなると これはシャカを人間で表した最古の仏像かもしれない?
    またあるいは ヘラクレスがライオンの皮をかぶった姿?
       尻尾があり、胸に丸いものがある


<参考>
グレコ・バクトリア王国
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%8E%8B%E5%9B%BD
インド・グリーク朝
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%9C%9D
メナンドロス1世
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%B91%E4%B8%96 

アフガニスタンの国家元首の一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%85%83%E9%A6%96%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
ザーヒル・シャー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC
アイ・ハヌム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%8C%E3%83%A0
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