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2009-06-19

イラン考古学セミナー・ランチ付き1

これまでに、日本の各調査隊が
イランで行った考古学的調査(踏査、発掘)の成果を紹介する目的で、
開催されている中近東文化センター主催のセミナー

イラン・イスラム共和国大使館(東京都港区麻布)の
協力を得て、大使館セミナー・ルームを会場。
昨年同様、大使館のご厚意により、当日の昼食として、
イラン料理の馳走が大使公邸にて振舞われました。

去年のセミナーで、
ペルセポリス付近の遺跡調査で、面白い話を聞いて、
今年もぜひにと行ってきました。

今年は、イラン革命前(30年前)の、
紛失していた資料が出てきたとかで、
まだ現地で発掘調査できていた時の話。

ファルス州、アルセンジャン地域の調査 常木晃(筑波大学教授)
サンギ・チャハマック遺跡の調査 古里節夫(松戸市立博物館学芸員)
イラン東北部の踏査 古瀬清秀(広島大学教授)

革命後、外国の調査隊はいまだに入れず。

南イランのやはりペルセポリス付近の洞窟遺跡の調査。
洞窟遺跡は、もしかしたら
人類の歴史を書き換える新発見になるかもしれないとか。
最近のDNA研究によって、
実はこの南イランが、ホモ・サピエンスの歴史の上で
重要な地点になりつつあるというのです。
かつて、アフリカから発生したヒトが
シナイ、レバントを通って
ヨーロッパやアジアへ広がったとされてきたが、
最近、イエメン~南イランから
ヨーロッパ、アジアへ広がったと見なされつつあるそうです。

それから何故、日本にイランの出土品があるのか?
それは共同発掘調査の賜物。
当時は発掘資料の半分を貰えたそうです。
それに土器の破片は見向きもされず、ほとんど貰ったとか。
でもつなぎあわせると、ほぼ完全な復元がいくつかできた。
そのうち数点をイランに返したら、
ちゃんと考古学博物館に展示され、資料も大事に保管してあったという。

それからそもそも何故、イランの調査をはじめたかとか。

西欧の調査隊は、自分たちだけで調査して帰っていく。
でも日本の研究者は、イラン人をバートナーとして一緒に作業したので、
いまだに覚えていてくれて、
日本人ならいつでも受け入れたいと思ってていてくれているとか。

イラン革命で中断したとはいえ、
30年前の人の繋がりが今も生きているというのは感動的でした。

なかなか興味深い話が盛り沢山でした。
そしてランチ付きという協力的な大使館はここだけ、
というのも素敵でした。

ただ、直前に、30 year after 1979
『研究シンポジウム・30年の後~
イラン革命、アフガニスタン侵攻、中東和平
・・・・・・世界を揺るがした1979年の中東と世界を振り返る』
(東京外国語大学「中東カフェ」)
という催しの案内も来て、かなり悩みました。
こちらもすごく聴きたかったです。

30anos

でも結局、大使館公邸のランチに負けました。
だって、とっても美味しいんですもの。
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