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2012-09-18

黒い大陸の栄光と悲惨

各社の「世界の歴史」シリーズで、
最初にアフリカを一巻で取り上げたものだそうです。
図書館で借りてきました。
あとがきが面白いです。
(本文はこれから)

世界の歴史 6
黒い大陸の栄光と悲惨
山口昌男
講談社 1977

africa1977kodanshahistiry6.jpg

「以前、よくアフリカで聞かれたものである。
日本ではアフリカ史の講義を持っている大学があるかと。
その度毎に大変恥ずかしい思いをした。
アフリカ史どころかアフリカ研究の講義すらないと、
その都度答えなければならなかった。

また日本でアフリカ史の本が出ているかと、聞かれる。
出ている。
日本人の書いたものかと。
英・米・仏人の書いたものの翻訳だというと、
日本人は後進国だなと笑われた。

不思議なことに、これまで、日本で、
翻訳でないアフリカ通史は刊行されたことがなかった。

今回の「世界の歴史」は、
アフリカ史に一巻をあてるという、
真に知的冒険といえる試みに乗り出した野心に、筆者はうたれた。

アフリカの歴史を今日、学ぶときに、
心しなければならないのは、
アフリカをヨーロッパスタイルの
歴史研究の植民地にしてはならないということ。

まず、偏見を捨てて、
アフリカにはアフリカ人でなくては生きることのできない、
独自の時間・空間内の存在様式がある
という事実を容認しなければならない。

筆者は歴史記述の専門家として、
本書を編んだのではない。
しかし、アフリカ史を
きたるべき知的パラダイムに組み込むために、
どのような点に焦点を当てることが
必要かという視点は失わなかったつもりである。

この一点をはずさずに、
本邦初の試行錯誤に満ちたアフリカ通史に
接していただきたい」

編集後記にも、
「かつてアフリカは『暗黒大陸』『歴史のない国』とされ、
アフリカ史とは『アフリカ植民史』にすぎなかった。
『アフリカが人類史の中で持つユニークな位置』
を追求する著者によって、
ブラックアフリカが秘めている多彩で豊穣な歴史が、
あますところなく叙述されております。

本巻は、最近注目を集めつつある
『人類学的歴史学』による最初の試みです。」
とあります。

なるほど~!
これがこちらにつながっていくんですね!

世界の歴史〈24〉―アフリカの民族と社会
福井 勝義 (著), 大塚 和夫 (著), 赤阪 賢 (著)
中央公論社 (1999/01 (中公文庫)(2010/02)
<12/09/07 アフリカの民族と社会>
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