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2012-09-26

ハルツームのゴードン2 

引き続き、映画『 サハラに舞う羽根』の背景について、
というか、すでに『ハルツームのゴードン』の背景についてというか…。

『ハルツームのゴードン』の解説もけっこう詳しく。
板垣雄三氏です。
これはピンポイントで面白かったのですが…。

gordonatkhartoum_blunt1983.jpg

それでもまだ、
「ハルトゥームのゴードン」にいたる
事情がよくわからず、色々読んでみました。

イギリスがどこから、エジプトに手を出してきたのか?
結局、ナポレオンのエジプト遠征から、
イギリスがエジプトに関心を持つようになったスエズ運河、
そしてスーダンのマフディの辺りまでの
エジプト史についてという感じ。

まず、前述の中公の『世界の歴史24 アフリカの民族と社会』が面白く、
マフディの抵抗・反乱が、この時スーダンでいきなり起こったわけではなく、
その前から、広義のスーダン(サハラ以南の西スーダン~東スーダン一帯)に
広く広まっていた状況だったとか。

もう少し詳しくと思ったけど、
『アフリカ現代史』にはエジプトはなく、
『中東現代史』の2巻目が未刊で、
新版『世界各国史』の『アフリカ史』にもなく、
『西アジア史』にあったけど、簡単すぎて満足できず、
手持ちの『旧版の西アジア史』
(旧版世界各国史11 前嶋信次編 新版 山川出版社1972)
を引っぱり出したら、
これが一番ちょうどよく詳しく、よく分かりました。
これも板垣雄三氏と前嶋先生でした。
実はこの旧版が非常によくまとまっていて、
面白く、役に立つんですよね。古いけど。
執筆者が秀逸のせい?

maejima_historiaasiaoeste_.jpg

(一応、『エジプト近現代史』も借りてきましたが。)
( 新版 エジプト近現代史
―ムハンマド・アリー朝成立からムバーラク政権崩壊まで―
(世界歴史叢書)山口 直彦 明石書店 (2011)

yamaguchi_historiaegyptmoderna.jpg

それから『ハルツームのゴードン』は、
『イギリスのエジプト占領秘史』の続編なのだそうです。
残念ながら未訳ですが。
解説には、マフディの前のオーラビー革命の
オーラビーに日本人が流刑先の
スリランカまで会いに行っている話も
載っていて、大変興味深いです。
この時代のエジプトは当時の日本の知識人?から
注目されていたんですね。
大英帝国の植民地支配の実態として。

この辺の話は、
中公の『近代イスラームの挑戦』にも載っていて、
(山内昌之 世界の歴史20 1996)
あと講談社の『アラブの覚醒』を見つけて、
(護雅夫・牟田口義郎 世界の歴史22 1978)
ようやく、マフディの反乱の前までの状況がわかりました。

mutaguchi_despertardearabe.jpg

いやあ、大英帝国の恐ろしさがよくわかりました。はい。
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