なるほど~!

中公新書 @chukoshinsho5月27日
『応仁の乱』の重版が決定し、37万部を突破!
そして、
呉座勇一さんのインタビュー記事が5月27日(土)、産経新聞のサイトにアップされました。
タイトルは「『応仁の乱』はなぜヒットしているのか? 筆者が読み解く」です。
執筆に際し心がけたのは、複雑な当時の状況を分かりやすく単純化することなく、複雑なままで読者に提示することだった。
そこに分かりやすい悪役はいない。
暗愚で無定見な諸悪の根源と断罪されがちな将軍の足利義政も、
乱の背後で暗躍したとしてよく黒幕視される義政の妻の日野富子も、
実際はそれぞれの見通しの元に乱の収拾を図っていたことが描かれる。
「応仁の乱はまさに失敗の連続。
関係者がみなことごとく読みを外し、打つ手打つ手が裏目に出た中、どんどん拡大した。
爽快感はまるでない歴史。
しかし真剣に歴史から現代に通じる何かを得たいと思うなら、そうした失敗の歴史からこそ学ぶべきではないか」
ちょうど
『戦争の日本中世史』(新潮選書)という本を出した後で、
その本は本来なら蒙古襲来から戦国時代までを書く予定だったんです」

「ところが書いているうちにどんどん膨らんで応仁の乱までとなり、
しかもそれもすごく駆け足で終わらせる形になった。
応仁の乱をきちんと書けなかったという悔いが残っていたので、
『応仁の乱』だけで1冊書いてみたいという話になったんです」
「応仁の乱というのはある意味、日本史上で最も有名な戦乱なわけで、
中公のような老舗で出ていないとうのは結構意外でした」
「実は今まで、『応仁の乱』というタイトルの一般書は非常に少ないんですね。
私の前に出たのが岩波の本で、それが30年以上前。
それくらい題材として難しいから皆さん避けておられたんだろうなと思いました」
「しかしこれだけ知名度はあるのに、中身を一般の人に解説している本がないという状況はあまり良くない。
そのギャップを埋められないかな、と思って書きました」
「応仁の乱は複雑すぎるので、全部を盛り込もうとすると収拾が付かなくなる。
ものすごく分厚い専門書のようになってしまって、一般向きの枠には収まらなくなってしまう。
先人はそれで苦労したと思うんです」
「なので私は、応仁の乱に関するすべてを網羅するのは、最初からしないと決めました。
あくまで、奈良の興福寺に当時いた尋尊(じんそん)と経覚(きょうかく)という2人のお坊さんの視点に限定して、
彼らの目に映った応仁の乱に基本的に限定しました。
それでもあれだけの分量になってしまったわけですが」
「もし、関東や九州などでの戦乱もすべて書くということになったら、
新書としてはまとまらなかったと思いますね。
視点人物を置いて、“彼らから見た応仁の乱”というふうに限定したのが、特色といえば特色でしょうか」
5月27日http://www.sankei.com/premium/news/170527/prm1705270028-n1.html