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2017-12-01

バルカン史

ビザンツ史のほんを探していたら、
バルカン史の本に行き当たり…
坂口尚氏の「石の花」にたどり着いてしまった…

バルカン―「ヨーロッパの火薬庫」の歴史
マーク・マゾワー
/井上廣美・訳
(中公新書) – 2017
Balkans2017Mazower.jpg

<南東ヨーロッパに位置するバルカン半島。
オスマン帝国時代、住民の多くを占める正教徒たちは平和裡に暮らしていた。
19世紀、帝国が衰退すると、彼らは民族意識に目覚め、ギリシャ、セルビア、ブルガリアなどが独立を果たす。
だがそれら新興国家に待ち受けていたのは、欧州列強の思惑と果てなき民族対立だった。
ユーゴ紛争とともに20世紀が終わるまでを描いた、いま最も注目される歴史家の名著を翻訳。
監修・村田奈々子。>
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2017/06/102440.html

< 20世紀のヨーロッパ史について幅広く論じた『暗黒の大陸』をはじめ、
『国連と帝国』、『国際協調の先駆者たち』といった著作で知られる
歴史学者マーク・マゾワーの本が中公新書から登場。
 この『バルカン』の原著は17年前の2000年に書かれた本で、
もともと近代ギリシャ史を研究していたマゾワーがユーゴスラビア内戦を受けて書いた本>
http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/52180228.html

「暗黒の大陸:ヨーロッパの20世紀」なども書いている
マーク・マゾワーが、バルカンの歴史をまとめあげた一冊。
新書でマゾワーの著作が読めるというのはありがたい。

しかし、バルカンのオスマンとの関係、宗教が重要なファクターだったこと、
半ば外部とのパワーバランスで作られてしまったともいえるネイションと民族の絡み合い、等、
その背景の要因はある程度分かるものの、他の方も書いているようにバルカンの複雑さが分かったという気分はしない。

小著にまとめているから、というのもあるであろうが、
恐らくヨーロッパの人を念頭に置いて書いているために、
想定される読者の予備知識が日本人のそれとは大きく異なるのが遠因ではないか、という気がする。

少なくとも私には、バルカンは「一触即発の火薬庫」という認識はあれど、
筆者が声高に否定する「暴力的で残忍な民族」という印象はない。>
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RMGAQ7795JV63/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4121024400

<バルカンという地域は、基本的にはヨーロッパでありながらも
ビザンチン(東ローマ)帝国の支配が約1000年
それに続くオスマントルコの支配が約500年にわたったところ。
よって支配的宗教は東方正教とイスラム。

本文よりもむしろ村田奈々子氏が書かれた末尾の解説
「マーク・マグワー『バルカン』改題」がより本書の本質を突き的を得ていると感じました。
ついでながら、実は日本人によって書かれた優れたバルカンについての著作があります。
それはのちに首相を務めた外交官・芦田 均氏が戦前の1939年に書かれた
「バルカン」(岩波新書、赤27、1992年第5刷)です。
戦前の日本人でこの地域に注目していた人がいたことに驚かされます。>
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2UVMAGGPWYWVZ/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4121024400

<オスマン帝国期から2000年までを扱うバルカン通史。
バルカンの名の由来ともなった地形から説き起こし、
オスマン帝国支配下での諸宗派共生を経て、
帝国の弱体化・列強の介入・ナショナリズム勃興による Nation State 成立、
大戦後のイデオロギーを軸とする東西冷戦期・工業化推進の後、
共産圏崩壊を契機とする主に旧ユーゴスラヴィア地域での(民族性による)再細分化の過程を描き、
最後に、西欧で一般に理解されていたバルカンの「暴力性」の当否への検討をもって締め括っている。

尚、本書(邦訳)とほぼ同じ時期に出版され、旧オスマン帝国領の別地域のほぼ同様の時代を扱う
「世界史リブレット オスマン帝国治下のアラブ社会」や、
フィクションではあるものの時代背景の肉付けに大いに役立つノーベル文学賞対象作「ドリナの橋」も合わせて読むと、
全体像の理解を深めることができるのではないかと思う。>
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3G7YI821QUKP7/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4121024400

<本書の巻頭に7枚の地図が掲げてある。
1.バルカン地形図
2.オスマン帝国 1550年ごろの地図
3.バルカン半島 1870年ごろの地図
4.バルカン半島 1910年ごろの地図
5.バルカン半島 1930年ころの地図
6.バルカン半島 1950年ごろの地図
7.バルカン半島 2000年ごろの地図
私は本書を読みながら、国名や地名が出てくると地図を探しながら読んでみたが、
それでもセルビアと言う国はどこにも発見できなかったし、
モルドヴァやボスニア=ヘルツェゴヴィナなどは最後の地図にしか発見できなかった。

本書の最後に翻訳者の村田奈々子氏の「解題」が載っているが、これを読むのが一番分かり易い。
やはり同じ日本人だなと感じる。
この中で一番共鳴できる文章を引用しておきます。

「本書は、バルカンの歴史に詳しくない読者にはやや難解に思えるかもしれない。
必ずしも時系列で出来事が語られるわけでもなければ、
今日のバルカン諸国の枠組みごとに記述されているわけでもない。
時代的に前後したり、地理的に大きく話が飛んだりすることもある。」

として、「日本のバルカン研究者による書籍を一読することをお勧めする。」とある。
嗚呼、最初から翻訳書など読まなければよかったんだ。>
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1FG4ER0YW3YB7/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4121024400

マーク・マゾワー(Mark Mazower)
1958年生まれ。コロンビア大学教授。
歴史学、特にギリシャを中心とするバルカン近代史、20世紀ヨーロッパ史、国際関係史を専門とする。
『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』(中田瑞穂・網谷龍介訳、未來社、2015年)
邦訳に『国際協調の先駆者たち――理想と現実の200年』(依田卓巳訳、NTT出版、2015年)、
『国連と帝国――世界秩序をめぐる攻防の20世紀』(池田年穂訳、慶應義塾大学出版会、2015年)。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624112059
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%BE%E3%83%AF%E3%83%BC

村田 奈々子 東洋大学教授
専門分野:近現代ギリシアおよび東地中海地域の歴史と文化
書籍等出版物 学問としてのオリンピック 共編者 山川出版社 2016
          物語  近現代ギリシャの歴史 村田奈々子 中央公論新社 2012
          世界歴史の旅 (分担執筆オスマン帝国支配下のギリシア、近代国民国家ギリシアの苦闘 ) 2005
          バルカンを知るための65章(分担執筆ギリシア内戦と冷戦、バルカンの中のヨーロッパ 他)明石書店 2005
          ギリシア史 (新版 世界各国史)  共著(近代のギリシア)山川出版社 2005
          ギリシアを知る事典  共著(女性たちのレジスタンス、移民でみるギリシア 他)東京堂出版 2000
http://www.toyo.ac.jp/prof/0000216033.html
http://ris.toyo.ac.jp/profile/ja.edc2ffb6341b37ae52492d0c9f7e633e.html

Grecia2012murata.jpg

物語 近現代ギリシャの歴史 - 独立戦争からユーロ危機まで
村田 奈々子

(中公新書) – 2012
<オスマン帝国の支配、列強の領土干渉、
そしてヨーロッパ文明を開いた偉大な過去に振り回される、ギリシャの一五〇年を振り返る。
ヨーロッパ文明揺籃の地である古代ギリシャの輝きは、
神話の世界そのままに、人類史の栄光として今も憧憬の的であり続けている。
一方で現在のギリシャは、経済危機にあえぐバルカンの一小国であり、EUの劣等生だ。
オスマン帝国からの独立後、ギリシャ国民は、偉大すぎる過去に囚われると同時に、
列強の思惑に翻弄されてきた。
この“辺境の地”の数奇な歴史を掘り起こすことで、彼の国の今が浮かび上がる。 >
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2012/02/102152.html

そうか。ギリシアもビザンツ・トルコ領だったのよね。

というわけで、<日本のバルカン研究者による書籍>を
探してみました。
Balkans1998siba.jpg

バルカン史 (世界各国史)
柴 宜弘 (編集)

山川出版社; 新版 1998
<バルカン地域の歴史を先史時代から現代にいたるまでたどった、わが国はじめての通史>
Balkans2015siba.jpg

図説 バルカンの歴史
柴宜弘
(著)
(ふくろうの本) 河出書房新社– 2015(2001年/改訂新版, 2006年/増補改訂新版, 2011年)
<「ヨーロッパの火薬庫」ユーゴ解体、コソヴォ独立…多様で平和な地域を求めて。
錯綜する民族と国家、繰り返される戦いと共存の歴史を詳細にたどるビジュアル・バルカン史、決定版! >

Yugoslavia1996siba.jpg

ユーゴスラヴィア現代史
柴 宜弘

(岩波新書) – 1996

柴 宜弘 (シバ ノブヒロ)

<1946年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。
城西国際大学特任教授、東京大学名誉教授。
専門は東欧地域研究、バルカン近現代史。
編著に『バルカン史』『バルカンを知るための65章』など。>
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309762357/

<1975~77年、ベオグラード大学哲学部歴史学科留学 
(その他の)著書 『ユーゴスラヴィアの実験――自主管理と民族問題と』(岩波書店, 1991年)
                                (岩波ブックレット―シリーズ東欧現代史 4)
   『ユーゴスラヴィアで何が起きているか』(岩波書店, 1993年)(岩波ブックレット)
   『バルカンの民族主義』(山川出版社, 1996年)(世界史リブレット)
訳書
I・T・ベレンド, Gy・ラーンキ
       『ヨーロッパ周辺の近代――1780-1914』(刀水書房, 1991年)
デイヴィッド・マッケンジー
       『暗殺者アピス――第一次世界大戦をおこした男』(平凡社, 1992年)
トム・ストライスグス
       『アルバニア』(国土社, 2002年)

漫画家の坂口尚とは小学校時代の同窓であり、
第二次世界大戦下のユーゴスラヴィアを舞台にした坂口の作品「石の花」
の制作にあたって考証に協力、また同作品の単行本には、
作品の時代背景(ユーゴ現代史)についての解説を執筆している>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B4%E5%AE%9C%E5%BC%98

石の花 (坂口尚
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E3%81%AE%E8%8A%B1_(%E5%9D%82%E5%8F%A3%E5%B0%9A%E3%81%AE%E6%BC%AB%E7%94%BB)

そうだったんですか!
びっくりしました!

色々と面白そうな本も翻訳していますねぇ。
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