2021-06-28
『ファクターX』?
なるほど~。
# 新型コロナウイルス
『ファクターX』、西浦博教授が報告 「考察すると見えてきた“4つ”の事実」
まだ根拠の不確かな楽観主義は危険
西浦 博 プロフィール
どうして、昨年の時点では「ファクターXの可能性を示唆するデータ」に見えたのでしょうか。
これまでの研究や状況などから見えてきたことを中心に、
私なりの現時点での考え(反証)を以下に整理して共有したいと思います。
疫学的な流行状況のコントラストを観察することを通じて、唯一論的なファクターXが(もし、存在しないとすると)「あるように見えた」理由として次が挙げられます。
(1)感染リスクには「他との従属性があること」。
日本の最も厳しい入国管理政策として外国籍の新規入国を停止したとしても、
駐在員や留学生などの日本国籍の者は出入国できる状態ですので、
出入りのある国同士が互いに影響を与えないわけではないのです。
そう考えると、2020年前半は、東アジアや東南アジア、オセアニアではそれぞれの国が感染リスクを低く抑えており、
互いに感染を与え合わない状況にありました。
「どうしても行き来しなければならない人」に関しても、次第に渡航制限や検疫が機能し始め、
地域共同体としてWin-Winの状態にあった、ということが理解できると思います。
アジアで行き来の多い周辺国の感染リスクが低いなら自国の感染リスクも低くなる、
という当たり前のことが起こった、というわけです。
(2)中国が2020年2月に自国の流行を素早く制圧したこと。
その影響は他のアジア地域にも及びます。
中国からの渡航は、日本を含めたアジア地域への渡航者の出身国別で常に上位ですから、
渡航者における感染リスクを圧倒的に下げることに繋がったものと考えられるのです。
(3)気温と2次感染リスクの間に負の相関があること。
どの地域も冬季が流行の鬼門であり、
気温が低い時期に人が移動して飛沫が飛び交うようなイベントがあると大変危険だと考えています。
日本だと、第3波の際の年末年始に感染者数が一過性に増加しましたが、そのようなことです。
すなわち、東南アジアの各国で封じ込めや大規模流行回避(それを抑制=Suppressionと呼びます)に成功してきたことには、
熱帯地域や亜熱帯における高温が助けになっている可能性を考えています。
東アジアと東南アジアでは、中国を除けば、日本と韓国の2か国は第1波の抑制にそれぞれの方法で成功しました。
それ以外の多くの国が熱帯や亜熱帯地域に属します。
アジアに帰属する国の環境条件を考えると、気温に帰する部分は相当量にのぼるものと想像されるのです。
(4)多くの成功国が渡航制限と検疫に真剣に取り組んだこと。
他方、豪州とニュージーランドに目を転ずると、それらの国は南半球にあり、
2020年1月以降のアジアでの一過性の感染者数の増加時には夏の時期でした。
そして、流行当初からではあるのですが、豪州とニュージーランドは極めて強固な渡航制限と検疫に取り組み、
流行対策としても、様々な種類の不慣れなことも果敢に試していきました。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83119?imp=0
# 新型コロナウイルス
『ファクターX』、西浦博教授が報告 「考察すると見えてきた“4つ”の事実」
まだ根拠の不確かな楽観主義は危険
西浦 博 プロフィール
どうして、昨年の時点では「ファクターXの可能性を示唆するデータ」に見えたのでしょうか。
これまでの研究や状況などから見えてきたことを中心に、
私なりの現時点での考え(反証)を以下に整理して共有したいと思います。
疫学的な流行状況のコントラストを観察することを通じて、唯一論的なファクターXが(もし、存在しないとすると)「あるように見えた」理由として次が挙げられます。
(1)感染リスクには「他との従属性があること」。
日本の最も厳しい入国管理政策として外国籍の新規入国を停止したとしても、
駐在員や留学生などの日本国籍の者は出入国できる状態ですので、
出入りのある国同士が互いに影響を与えないわけではないのです。
そう考えると、2020年前半は、東アジアや東南アジア、オセアニアではそれぞれの国が感染リスクを低く抑えており、
互いに感染を与え合わない状況にありました。
「どうしても行き来しなければならない人」に関しても、次第に渡航制限や検疫が機能し始め、
地域共同体としてWin-Winの状態にあった、ということが理解できると思います。
アジアで行き来の多い周辺国の感染リスクが低いなら自国の感染リスクも低くなる、
という当たり前のことが起こった、というわけです。
(2)中国が2020年2月に自国の流行を素早く制圧したこと。
その影響は他のアジア地域にも及びます。
中国からの渡航は、日本を含めたアジア地域への渡航者の出身国別で常に上位ですから、
渡航者における感染リスクを圧倒的に下げることに繋がったものと考えられるのです。
(3)気温と2次感染リスクの間に負の相関があること。
どの地域も冬季が流行の鬼門であり、
気温が低い時期に人が移動して飛沫が飛び交うようなイベントがあると大変危険だと考えています。
日本だと、第3波の際の年末年始に感染者数が一過性に増加しましたが、そのようなことです。
すなわち、東南アジアの各国で封じ込めや大規模流行回避(それを抑制=Suppressionと呼びます)に成功してきたことには、
熱帯地域や亜熱帯における高温が助けになっている可能性を考えています。
東アジアと東南アジアでは、中国を除けば、日本と韓国の2か国は第1波の抑制にそれぞれの方法で成功しました。
それ以外の多くの国が熱帯や亜熱帯地域に属します。
アジアに帰属する国の環境条件を考えると、気温に帰する部分は相当量にのぼるものと想像されるのです。
(4)多くの成功国が渡航制限と検疫に真剣に取り組んだこと。
他方、豪州とニュージーランドに目を転ずると、それらの国は南半球にあり、
2020年1月以降のアジアでの一過性の感染者数の増加時には夏の時期でした。
そして、流行当初からではあるのですが、豪州とニュージーランドは極めて強固な渡航制限と検疫に取り組み、
流行対策としても、様々な種類の不慣れなことも果敢に試していきました。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83119?imp=0
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