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2021-09-30

日本人の寿命の怪 4

後藤新平

 その半年後、休日を利用して首都移転の資料を読んでいた。首都を議論する際には、どうしても後藤新平を避けて通れない。

 大正12年、帝都は未曾有の大地震に見舞われた、関東大震災である。
その年、帝都復興院総裁となったのが後藤新平であった。
彼は震災後の壮大な東京復興計画を立案し政府に提案したことで有名である。
 後籐新平を本格的に調べ初めた。
 何故、後籐新平が帝都復興院総裁に任命されたのかが納得いった。
彼は大震災の3年前の大正9年、東京市長になっていたのだ。

 大正9年に東京市長になっていた!
と言うことは、大正10年、東京市で最初に水道水を塩素殺菌したときの市長であったのか?


 事実そのとおり、後籐新平は東京市長であった。さかのぼって後藤新平の経歴を追ってみた。
 後藤新平は「大風呂敷」というあだ名があったように、そのイメージは奔放であった。
台湾総督府民政長官や満鉄総裁時代に実行したインフラの整備が有名なため、法科か土木工学出身だと思い込んでいた。

 彼は岩手県水沢市の下級藩士の家に生まれ、福島県須賀川医学校を卒業後、内務省衛生局に入っている。
そこで彼は自費でドイツに留学している。自費でドイツへ行った目的は「コッホ研究所」で細菌の研究をすることであった。

 世界最初の細菌研究を成し遂げたあの「コッホ研究所」へ、後藤新平は自費で行っていた。
コッホ研究所で後藤新平は、医学博士号まで獲得している。
彼は当時の日本で北里柴三郎に匹敵する細菌学の権威者であった。
後籐新平の官界や政界での派手な活躍に目を奪われていたが、彼の人生の立脚点は細菌学であった。
 細菌学の権威が東京市長だった。

 夢中になって後藤新平の経歴を追った。彼は東京市長になる2年前、大正7年に外務大臣に就任していた。
大正7年はシベリア出兵があった年である。詳細に彼の動きを調べた。

 なんと彼はシベリアへ行っていた!シベリアの現地に出向き、シベリア出兵作戦の中心人物でもあった。
 細菌学の専門家・後藤新平は、そのシベリアで「液体塩素」と出会っていた。
その2年後、彼は東京市長となった。

 東京市長になった後藤新平は、東京市の水道施設を視察した。
そこで細菌を大量に含んだ生水が、市民に向かって送り出されているのを目撃した。
それを目撃した後藤新平が「液体塩素で水道水を殺菌すべき」と考えたのは必然であった。
 後籐新平は陸軍の横やりを抑え、国家機密である液体塩素を民生転用した。その転用する「権力」も備えていた。
 すべてのジグソ-パズルのピースがはまった。謎がストーンと解けた。

偶然の文明

 日本の安全な水の原点は、シベリア出兵と後藤新平にたどり着いた。
 あのシベリア出兵がなかったら、この液体塩素の誕生はもっと先になっていた。
さらに後藤新平という人が、日本史の舞台に立っていなかったら、水道水の塩素殺菌はもっと先送りになっていた。
それまでの間、何十万人、何百万人の幼児が水道水で死ぬことになった。

 「細菌学者」後藤新平は「シベリアで液体塩素」と出会った。
彼は「東京市長」となり、東京水道の現状を目撃した。
「権力」を握っていた彼は、陸軍を抑えて軍事機密の液体塩素を民生へ転用させた。
 これらの条件の内、どの条件が欠けていても、大正10年に安全な水道水の誕生はなかった。
日本はこの大正10年から、世界でもまれな長寿大国へ向けてスタートを切った。
(図―3)で、水道の普及と平均寿命の関係を重ねた。
 文明の大きな出来事も、このような小さな個人の運命の偶然の上に成り立っている。
何とも不思議な思いにつつまれてしまった。>
https://ieei.or.jp/2020/04/expl200413/
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2021-09-29

日本人の寿命の怪 3

ロシア革命と液体塩素

 その2年後、ある会合があった。多業種の寄り集まりの気楽な飲み会であった。
 ある重化学メーカーのエンジニアと隣になった。酒の肴でこの大正10年の疑問を彼に話した。
 「どうして大正10年まで、水道水が塩素殺菌されなかったのか?」という謎である。

 2週間後、彼から郵便物が届いた。古い記録のコピーが入っていた。
それは現・保土谷化学工業㈱(当時は(株)程谷曹達工場)の社史の写しであった。
 彼からの手紙には、あの大正10年の謎が判ったこと。
それは大正7年に「液体塩素が開発」されたことが記されていた。

 その社史のコピーを読むと
「シベリア出兵に際し、陸軍から毒ガス製造を依頼された。
それに応じて液体塩素を開発した。
しかし、シベリア出兵はすぐ終了してしまったので液体塩素の使い道がなくなった。
これの民生利用として水道水の殺菌に転用することとなった」
という内容が、文語体で記されていた。

 シベリア出兵は大正8年(1919年)に開始された。
その2年前、大正6年(1917年)にロシア革命が起きた。
シベリア出兵の名目は、トロツキー率いるボルシェビキ革命赤軍と闘っていたチェコ軍団の救出であった。
この出兵は皇帝側の白軍を押し立てて、満州鉄道と東部3州の支配を強めようとする狙いもあった。

 当初はアメリカと共同で作戦を展開した。
しかし、日本が本格的な3個師団7万人を投入したのを見て、アメリカは日本を警戒し始めた。
結局アメリカはシベリア出兵に反対する立場を取るようになった。
日本はアメリカの強硬な反対により、大正10年シベリアから撤兵を開始し、大正11年に撤退を完了した。
 このシベリア出兵という歴史の中で、液体塩素が生まれていた。

液体塩素の大変身

 塩素ガスは猛毒である。
敵を殺傷する兵器として以前から注目されていた。ただし、塩素ガスは気体で流動性があり、扱いが難しい。
ガス気体のままでは武器になりにくい。
液体にすれば、性状は安定し、容量も小さく扱い易くなる。
そのため液体塩素の開発が要求され、化学メーカーの(株)程谷曹達工場がそれに応えた。

 ところが、このシベリア出兵はあっという間に終了してしまった。
液体塩素の製造プラントは無駄になってしまった。
程谷曹達の関係者は、製造プラントの前で呆然としたにちがいない。

 しかし、最高の軍事秘密兵器として生まれた液体塩素が、水道水の殺菌という民生利用という活躍の場を得た。
 軍事機密の液体塩素の大変身であった。
これも不思議なことであった。

 大正10年、陸軍がシベリアから撤退と同時に間髪おかず、液体塩素を水道水の殺菌のために転用している。
あまりにもタイミングが良すぎる。まるで陸軍がシベリアから撤退するのを待ちかまえていたかのようだ。

 一見してきれいな水道水に、細菌という病原体が存在している。
この知識はある程度一般国民にも広まりつつあった。
しかし、その細菌を的確に死滅させる方法を知っていたのは、生化学の最先端の高度な専門知識を持つ者だけである。


いったい誰が

 塩素は水の殺菌に有効である。しかし、塩素はガスのままだと危険で取り扱いにくい。
液体塩素なら容易に量を調節でき、水道水殺菌のため制御できる。
 当時の日本社会で、この知識を持っているのは半端な人間ではない。
 また、液体塩素の使用については、社会的制約もあった。
いくらシベリア出兵が終わっても、毒ガス兵器としての液体塩素は国家のトップシークレットであった。
兵器として開発された液体塩素は、陸軍の厳しい監視下にあったはずだ。
陸軍がシベリアから撤退するか、しないかの時に、その液体塩素が簡単に民生に転用されている。
 一体誰が、どのようにして、この毒ガス兵器を民生に転用したのか?

 これが最後の謎となった。
 この謎は、手強かった。東京都の水道局に問い合わせたが、そのような昔の話は相手にしてもらえなかった。陸軍内部の当時の記録などもちろん見つけられない。
 大正10年に、水道水が塩素殺菌されたという事実。その殺菌用の液体塩素は、兵器として開発されたという事実。これらの事実に到達できたのも、まったく偶然であった。
 もうこれ以上の謎解きは、あきらめていた。
 当時の程谷曹達工場が、一生懸命に東京市へ液体塩素の売り込みをしたのだろう、という程度で自分自身に対してお茶を濁していた。>
(続く)
https://ieei.or.jp/2020/04/expl200413/

2021-09-28

日本人の寿命の怪 2

謎が解け、また謎に

 1年後に、その謎は偶然に解けた。
 ある日、別件で東京湾岸のお台場へ行った。そこで偶然、東京都水道100周年記念展が開催されていた。時間つぶしでブラブラと見学をした。水道展は子供向けの軽いタッチの催し物であった。
 しかし、あるプラントメーカーの協賛展示の前で足が凍りついた。そこには水道の歴史年表パネルが架けられていた。その年表は、民間業界から見た100年の歴史であった。
 大正10年のところに「東京市で水道の塩素殺菌が開始される」とあった。
 大正10年に塩素滅菌が開始された!脳細胞がスパークしたのを記憶している。
 「水道の塩素殺菌」これが、大正10年の謎の解であった。
 水道水が塩素殺菌されて、水道水はやっと安全になったのだ。殺菌されない水道は、危険極まりない。水道の生水はさまざまな雑菌を含んでいる。大人は腹をこわす程度で済むが、体力のない乳幼児にとっては命の問題となる。
 改めて明治以降の近代水道の歴史を調べてみた。
 驚いたことに水道の供給は、塩素殺菌が始まる30年以上も前から開始されていた。

危険な水道水

 明治20年(1887年)横浜市で、日本最初の水道が給水開始された。明治22年に函館市、明治24年に長崎市、明治30年に大阪市、明治31年に東京市、明治32年に広島市、明治33年に神戸市、明治38年に岡山市、明治39年に下関市、明治40年に佐世保市と次々に水道が開始されていった。
 ちょうどこの頃ヨーロッパでは、ドイツ人のローベルト・コッホが「感染症には、目には見えない微生物の細菌が関与している」と主張していた。1882年には結核菌を、1883年にはコレラ菌を、その後もペスト菌を発見し世界中に衝撃を与えていた。明治38年(1905年)コッホは、ノーベル生理・医学賞を受賞している。
 北里柴三郎はコッホに師事し細菌学を日本に初めて紹介した。しかし、水道分野で細菌学が現実化するのは大正10年(1921年)の塩素殺菌まで待たなければなかったのだ。
 つまり、明治20年から大正10年までの間は、水道を普及すればするほど、危険な水を広めてしまったことになる。その期間は、30年以上にも及んでいる。
 (図―2)がその痛ましい歴史の図である。
 大正10年の謎は解けたが、また疑問にぶつかってしまった。
 何故、1921年(大正10年)まで塩素殺菌をしなかったのか。塩素殺菌の効果は(図―2)でも明らかである。「細菌」という知識は、20世紀初頭には日本に入ってきていた。
 それなのに何故、30年間も水道水は何も処理されず放置されていたのか。
 また、謎を抱え込んでしまった。>
(続く)
https://ieei.or.jp/2020/04/expl200413/

2021-09-27

日本人の寿命の怪 1

日本人の寿命の怪
なかなか恐ろしい話
そして感動的な話

日本文明とエネルギー(10) 日本人の命
日本人の命の謎

2020/04/13
竹村 公太郎
認定NPO法人 日本水フォーラム 代表理事

https://ieei.or.jp/2020/04/expl200413/

< 2020年4月現在、人類は新型コロナウイルスと懸命に戦っている。20年前、私は日本人の命の物語を記述した。それを新型コロナウイルスと戦っている全ての人に敬意をもって捧げます。

日本人の寿命の怪

 51歳ごろ、大阪に勤務していた時、日本人の寿命について調べていた。
 単に調べていたのではなく、水道の普及が日本人の命に好影響を与えたかという仮説で調べていた。統計が整理されている明治以降の日本人の寿命をグラフにしたところ、奇妙なことに気がついた。
 日本人の寿命は大正以降どんどん伸び、今では世界でNo.1を誇る長寿大国となっている。
過去100年間の日本人の寿命の伸びには驚かされる。
 奇妙だと思ったのは、寿命の急速な伸びにではない。
明治末期から大正10年頃にかけて、寿命が低下傾向になっている。さらに不思議なことに、
大正10年前後で最低値の42.7歳になり、その後は一転して上昇し現在に至っている。
その大正10年前後でのV字反転が奇妙であった。
平均寿命42歳とは現在のアフリカの最貧国レベルの数字以下である。
 大正10年頃に何かが起こった。
この大正10年前後に、日本人の寿命に重要な影響を与えた何かがあったはずであった。
 国民の寿命は、乳幼児の死亡率に大きく依存している。そのため、乳幼児の死亡数の統計を当たった。

乳幼児の死亡率

 乳幼児の死亡率と日本人の寿命は、やはり密接な関係を持っていた。
 (図―1)で、乳幼児の死亡率と平均寿命の曲線を重ねた。これを見ると、乳幼児の死亡率と平均寿命は見事に反対の相関になっている。

乳幼児の死亡率だけでなく死亡の絶対数を見ても、明治末期から大正10年頃まで増加し続けている。
そして大正10年を境に、乳幼児の死亡は減少に転じている。
単に減少に転じたのではない、劇的に減少に転じている。
 乳幼児の死亡数調査は、21世紀の現在まで継続している。
(図―2)が、乳幼児の死亡数に推移である。
 この大正10年の変化点は、ただ事ではない。
日本社会の保健衛生の特筆されるべき歴史的な出来事があったに違いない。

それを調べるため、出張で上京するたびに、当時の厚生省の図書館へ足を運んだ。
 しかし、厚生省の図書館で調べた限り、大正10年前後に厚生行政で記録されるべき保健衛生の出来事、医学界で記念されるべき画期的展開は何もなかった。
 大正10年を境にして、あれほど乳幼児の死亡が減少に転じたのに、何も記録がなかった!
 この疑問は、胸の奥底に沈んだままになった。>
(続く)

2021-09-26

隕石で滅びた古代都市? 2

ツングースカ級の小天体衝突で滅びた?
ヨルダン渓谷の3600年前の遺跡で発見、ソドム伝承の由来にも(秋山文野)


<1908年6月30日、シベリア上空に小天体が飛来し空中で爆発し、一帯の針葉樹林をなぎ倒し70キロメートル離れた農村でも死者が出るなどの被害があった。毎年6月に開催される、小惑星衝突のリスクを考える国際天文イベント「アステロイド・デイ」はこの「ツングースカ爆発」にちなんでいる。

直径50メートル程度の小天体(小惑星または彗星)が爆発したツングースカ爆発は、人の住んでいない地域で発生したため人的被害があったとはいえそこまで大きくなかった。だがこれが都市の上空であればどのようなことが起きるのか、約3600年前の遺跡の発掘から明らかになりつつある。

米カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校の研究者らは、ヨルダン渓谷南部の都市「トール・エル・ハマム」は、青銅器時代中期に小天体の空中爆発によって滅びたという調査結果を発表した。爆発によって都市が破壊され死者が出ただけでなく、半径25キロメートル圏内で大規模な塩害が発生し、最大600年にわたって周辺の都市と集落が放棄されるきっかけになったという。一連の事象は旧約聖書の『創世記』に登場する天変地異で滅びた都市ソドムの伝承の元になったと示唆されている。

論文「A Tunguska sized airburst destroyed Tall el-Hammam a Middle Bronze Age city in the Jordan Valley near the Dead Sea」は2021年9月20日付けで科学誌『Scientific Reports』に発表された。

空中爆発で破壊された都市

死海の北東になるヨルダン渓谷南部の城壁都市トール・エル・ハマムでは、2005年から発掘調査が行われている。都市は紀元前4700年前から、破壊と放棄のあった紀元前1650年前まで約3000年にわたって反映していた都市国家の中核となった場所だった。ヨルダン渓谷は豊富な湧水を利用することができ、都市を中心に推定5万人の人口があった繁栄した地域だったという。

トール・エル・ハマムは高さ4メートルの高い城壁で囲まれ、4~5階建ての宮殿を持っていたとされている。建物は主に日干しレンガで作られているが、発掘中の遺跡では、建物の残骸の上にレンガが粉砕され北東方向に吹き飛ばされて積もった「ブロー・オーバー」層が残っている。また城門があった場所では、高熱を受けて破砕された痕跡が残っている。論文の趣旨は、都市が受けた壊滅的な破壊がどのようなプロセスで起きたのかを検討するというものだ。

サンプリングサイトは相乗になっており、最も深い層では粉砕されたり溶けた日干しレンガの破片、融けた屋根用粘土、木炭や木材、焼けた布や骨、陶器の破片などが積もっている。一部の場所ではこのすぐ上に吹き飛ばされた薄い細粒のブロー・オーバー層がある。さらに木炭と灰を多く含むダーク層と言われる部分もあり、3つの層を合わせて「破壊層」を形成している。

まず、都市の破壊が戦争によるものという可能性が排除された。紀元前1650年ごろの遺物の層には、鏃や槍、投石といった戦争を示す武器の痕跡が見つかっていない。また戦争では、融けた陶器や日干しレンガといった高熱で破壊された痕跡を残すことも考えにくいという。

さらに、破壊層から「ダイアモノイド」と呼ばれる高温高圧で生成されるカーボンの粒子が見つかった。最大1500度の温度を受けたことを示す融けた日干しレンガや粘土もあり、戦争による破壊とは一致しにくいと見られている。そして大きな証拠と思われるのが、宮殿跡から見つかった衝撃変性石英の存在だ。文字通り、強い衝撃を受けた石英の粒子に平面状の変形ができるもので、隕石が衝突した周辺で見られる。メキシコのユカタン半島で起きた隕石衝突のチクシュルーブ・クレーター周辺でも見つかっているものだ。同様の石英の変性は落雷や原子爆弾でも発生するが、トール・エル・ハマムで見つかった衝撃変性石英は落雷によるものとは形状が異なり、また原子爆弾の可能性は排除できることから、隕石など小天体の衝突を裏付けるものとなった。

論文中には陶器など生活用品の破壊と人骨の痕跡を調査した臨場感あふれる記述がある。トール・エル・ハマムの宮殿の跡からは、南西から北東方向へ吹き飛ばされたように床に散らばった鍋などの陶器の破片が見つかっているという。調理場と見られる場所では、重さ400キログラム近い穀物を挽く石臼が台座から落ちて倒れ、周辺に大麦の粒が散らばった様子が報告されている。ほんの数秒という短い間に高速の破片を伴う衝撃波が南西から襲い、日干しレンガの壁を破壊して吹き飛ばし、表面を削り取って陶器などの破片の上に積もったと考えられている。その後、トール・エル・ハマムは600年近く放棄されて人が居住しなかったため、破壊の痕跡は堆積したまま残ることになった。

宮殿近くの道路からは、死後すぐに日干しレンガの破片に埋まったとみられる人骨が見つかっており、武器で損傷された様子はなかった。高速で飛んできた物体が衝突したと見られる、首が切断された遺体は、城壁のような高所からの落下や竜巻で発生したとは考えにくいとされている。また、ポンペイの火山噴火の際に起きたように、頭をかばうようにしゃがみこんだ姿勢で見つかった子供のように、突然起きた災害を思わせる人骨も発見されている。人工の爆発物がない時代に、都市全体を襲った急激な災害の原因に、ツングースカ爆発のような小天体の空中爆発の可能性は十分にあるといえそうだ。トール・エル・ハマムの当時の人口は最大で8000人と推測されているが、紀元前1650年の災害を生き延びた者はほとんどいなかったようだ。

聖書考古学と小天体の飛来をつなぐのは「塩の柱」

トール・エル・ハマムの破壊がツングースカ級、あるいはそれを超える空中爆発によって起きたものだとしても、この都市が旧約聖書の『創世記』にあるソドムのモデルとなったという説は、どこからきたのだろうか? ソドムは悪徳と退廃のために「火と硫黄の雨」によって滅びたという。火と硫黄は火山の噴火を想起させるものでもあり、空中爆発の高熱と衝撃波に襲われたトール・エル・ハマムの災害と必ずしも一致しないようにも思える。

実は、以前から「トール・エル・ハマムこそソドムだった街」と主張している考古学者がいる。今回のUCSB発表論文の参考文献のトップに挙げられている文献の主著者で、ヨルダンのトール・エル・ハマム発掘プロジェクトの主任考古学者スティーブン・コリンズ氏だ。コリンズ氏はニューメキシコ州の神学校トリニティ・サウスウエスト大学(信仰に基づく教育を行っているため、学位を授与できる正規の大学ではない)に所属する聖書考古学者で、発掘プロジェクトのWebサイトや著書でソドムの実在に関する発表を続けている。

トール・エル・ハマムで起きた災害が小天体の空中爆発とする説は、2005年から始まったトール・エル・ハマム発掘プロジェクトの11期(現在は15期まで進行)で提唱されたものだ。UCB発表論文の著者には発掘プロジェクトの研究者も入っており、今回の論文が聖書考古学の一環であることをうかがわせる。

そして論文の中で、トール・エル・ハマムの災害が空中爆発由来であることとソドムの伝承を結びつける1つの鍵が、塩害の存在だ。ソドムの伝承で塩といえば、信仰心が厚く神に命じられてソドムを脱したロト夫婦とその娘の存在がある。街を去るとき、決して振り返らないようにと命じられていたにもかかわらず、ロトの妻は崩壊するソドムを振り返って見てしまい、その場で塩の柱になった。

論文によれば、トール・エル・ハマムの破壊層は、高い濃度の塩分が特徴的だという。発掘中に新しく露出した場所は、一晩で空気中の湿気で表面が薄く塩をかぶるほどだったといい、小麦や大麦など主要な作物が栽培できないほどの塩害に悩まされていた可能性がある。本来、ヨルダン渓谷周辺は水もあって肥沃な土地だというが、紀元前1650年ごろの大規模な破壊の後にトール・エル・ハマム周辺は放棄され、600年近く繁栄を失った。この塩害の引き金になったのが、空中爆発または隕石の衝突(衝突片やクレーターは現在のところ見つかっていない)ではないか、と論文は議論を投げかけている。死海に近いヨルダン渓谷の地下に塩分の多い堆積層があり、隕石衝突によって農地に塩害が広がったという説だ。

ロトの妻が塩の柱に変じただけでなく、破壊されたソドムの街ではその後、作物を育てることができなくなったという。空中爆発によってまたたく間に起きた街の破壊とその後の塩害による荒廃という一連の事象が合わさり、ソドムの伝承につながったというのがUCSB発表論文の趣旨だ。

隕石が塩害を引き起こしたという説については、まだ立証されていない。とはいえトール・エル・ハマム発掘が進み、特に破壊の痕跡から爆風の方向が絞り込まれてきたことはとても興味深い。方向に関する手がかりから、クレーターや隕石発見につながる可能性があるからだ。ヨルダン渓谷周辺のどこかに、古代のシティキラーとなった隕石が埋もれているかもしれない。>
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20210921-00259423

TallelHammam_Excavation-JoVawk.jpg
Tall el-Hammam Excavation-Jordan Valley
https://en.m.wikipedia.org/wiki/File:Tall_el-Hammam_Excavation-Jordan_Valley.jpg

2021-09-25

隕石で滅びた古代都市? 1

ええっ?
隕石で滅びた街?

約3600年前に死海付近の上空で隕石が爆発し、熱風で都市が滅びたという
Scientific Reports 誌の最新の論文 https://bit.ly/3hQHJ76
著者の Ted E. Bunch 氏らが地学と考古学の調査を行い、
1908年のロシアのツングースカ大爆発と同様と結論。
聖書に天からの火で滅びたと記されたソドムに対応と推定>
9月21日
https://twitter.com/ogugeo/status/1440085173245145094
https://www.nature.com/articles/s41598-021-97778-3

<古代都市が隕石で破壊されたということはあるとしても、
それがなぜソドムにつながるのか、その背景も解説しました。>
https://twitter.com/ayano_kova/status/1440303905561214988

ツングースカ級の小天体衝突で滅びた?
ヨルダン渓谷の3600年前の遺跡で発見、ソドム伝承の由来にも(秋山文野)

https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20210921-00259423

<ツングースカ級の小天体衝突で滅びた?
ヨルダン渓谷の3600年前の遺跡で発見、ソドム伝承の由来にも >
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20210921-00259423
<これを聖書考古学がらみの怪しい論考に結び付けた研究者の話は、こちらの記事の最終段が詳しい。
科学レビー記事に求めてるのは、こういう深掘りですよ!>
https://twitter.com/enumura/status/1440563036503244801

<元論文では結論の最後で
「こういう事件の言い伝えが、ソドムの伝説を生んだのかもね」
という程度なので、記事の勇み足っぽい。>
A Tunguska sized airburst destroyed Tall el-Hammam a Middle Bronze Age city in the Jordan Valley near the Dead Sea
https://twitter.com/enumura/status/1440533880956604425

<「天の火」で滅亡した都市ソドムか? 中東の遺跡に隕石爆発の痕跡
約3600年前に中東ヨルダンの死海の北東部にあった古代都市が、
巨大隕石(いんせき)が空中爆発した際の超高温の爆風で消滅した可能性を示す証拠が見つかった。
米トリニティー・サウスウェスト大などのチームが20日、
遺跡の調査結果を科学誌サイエンティフィック・リポーツ(https://doi.org/10.1038/s41598-021-97778-3)に発表した。
旧約聖書で、神の怒りを買って「天の火」で滅ぼされた都市「ソドム」ではないかとチームは指摘している。

 遺跡は、死海の北東部に存在した古代都市「トール・エル・ハマム」など。
一帯は約3千年にわたって繁栄したが、紀元前1650年ごろに突如姿を消し、
以来300~600年間、不毛の地だったことがわかっている。

トール・エル・ハマムは高さ4メートルの高い城壁で囲まれ、
4~5階建ての宮殿を持っていたとされている。
建物は主に日干しレンガで作られているが、
発掘中の遺跡では、建物の残骸の上にレンガが粉砕され北東方向に吹き飛ばされて積もった
「ブロー・オーバー」層が残っている。
また城門があった場所では、高熱を受けて破砕された痕跡が残っている。
論文の趣旨は、都市が受けた壊滅的な破壊がどのようなプロセスで起きたのかを検討するというものだ。

サンプリングサイトは相乗になっており、
最も深い層では粉砕されたり溶けた日干しレンガの破片、
融けた屋根用粘土、木炭や木材、焼けた布や骨、陶器の破片などが積もっている。
一部の場所ではこのすぐ上に吹き飛ばされた薄い細粒のブロー・オーバー層がある。
さらに木炭と灰を多く含むダーク層と言われる部分もあり、3つの層を合わせて「破壊層」を形成している。>
https://www.asahi.com/articles/ASP9P5SMZP9PULBJ00F.html

Jordan01wk.jpg
Jordan
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Jordan_(orthographic_projection).svg
Jordan02wk.jpg
Jordan
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Jo-map.png
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Tall el-Hammam Excavation-Jordan Valley
https://en.m.wikipedia.org/wiki/File:Tall_el-Hammam_Excavation-Jordan_Valley.jpg

2021-09-24

病床逼迫率

あの状況から、よくここまで…。
もう駄目かと思いました。

<黒い……>
covid210822.jpg
0822
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1429408599848079363

<とうとう全ての都道府県でCOVID19患者の数が減り始めました。
感染は急速に収束していっていて、医療逼迫もだいぶ改善されつつあります。>
covid210915.jpg
0915
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1438126288623964164

<東京が! とうとう! 黒くなくなりました!!>
covid210921.jpg
0921
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1440253496360509443

https://www.stopcovid19.jp/

2021-09-23

カフィルカラ遺跡 続報

kafirkala2019exp.jpg
展示会もやっていたんですね!
見たかった~!

さらなる発見!
すごい!すごい!

<ウズベキスタンのサマルカンド州・カフィルカラ遺跡 王族の装身具が出土
2019年02月28日
 国立民族学博物館(大阪府吹田市)と帝塚山大(奈良市)の調査チームが28日、
ウズベキスタンにあるシルクロード都市サマルカンド州のカフィルカラ遺跡で
ゾロアスター(拝火教)を信仰したソグド人のものとみられる、
ハート形の金製品や指輪飾りの装身具など約20点が城の玉座付近の祭壇から見つかったと発表した。
 出土品が藤ノ木古墳(奈良県斑鳩町)の金銅冠の部品に類似していることも指摘。
ソグド人の宝飾文化がシルクロードを経て日本に及ぼした影響を考える上でも重要としている。
[参考:共同通信、毎日新聞]>
https://blog.goo.ne.jp/thetaoh/s/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%A9%E9%81%BA%E8%B7%A1

シルクロード都市 ウズベキスタン・サマルカンド州
カフィル・カラ城における高級飲食物食糧庫の発見
2019
<帝塚山大学(学長:蓮花一己 所在地:奈良市帝塚山7-1-1)とウズベキスタン考古学研究所が、
共同で実施したウズベキスタン・サマルカンド市カフィル・カラ城(シルクロード都市)における
2019年度の調査で、玉座がある部屋のごく近い場所に、高級飲食物の食糧庫を発見しました。

このような発見は極めて珍しいことであり、これらの成果に動物骨のデータやソグド人関係の壁画資料を
加えて、王の食卓を復元する試みを行いました。またエーゲ海文明の食糧貯蔵庫や東アジアの甕蔵との比較を
行い、東西文明交流における意義も検討しています。

■玉座がある部屋の横に高級飲食物の食糧庫を新たに発見。
■食糧庫は中央に柱列が並ぶ特殊な二階構造であり、その一階(地下蔵)の入口側には多数の大甕
(がめ)が据えられていた。内部の炭素付着状態から酒甕(ワインと推定)と油甕(オリーブオイ
ルと推定)に区別でき、粘土で封をしてスタンプを押して厳重に管理されていたと考えられる。
■食糧庫は二重構造で、飲食物の保存のために温度管理をしたものと推定される。
■食糧庫の奥は板壁とドアで仕切られ、そこにはムギ・アワ・マメなどを布袋に入れて保管されて
いた。それ以外にも、ニンニク・クルミおよび、ハチミツを入れていたと推定される容器、装飾付
き木製鉢などが見つかっている>
http://www.tezukayama-u.ac.jp/mtimages/20210225_%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A92019-2020.pdf
http://www.tezukayama-u.ac.jp/news/pressrelease/2021/03/05/post-1156.html

2021-09-22

カフィル・カラ城

 おお~!
これはすごい~!

ウズベキスタン ゾロアスター教の板絵 帝塚山大が発掘
<ウズベキスタンのサマルカンド市にあるシルクロード都市の遺跡「カフィル・カラ城」を発掘調査していた
帝塚山大(奈良市)は2日、
ゾロアスター教(拝火教)の儀式の様子を表現した浮き彫り板絵(縦1.3メートル、横1.4メートル)が、
初めて本来の姿が分かる形で見つかったと発表した。
板絵には正倉院(奈良市)に残る宝物の楽器も描かれ、
中央アジアがシルクロード交流の重要地域であったことを示す貴重な資料になるという。>
https://mainichi.jp/articles/20171103/k00/00m/040/172000c

ゾロアスター教板絵を世界初発見、正倉院楽器と類似か
2017.11.2 19:41
<ウズベキスタンで出土したゾロアスター教関連の板絵。
最上段に女神、
下段にハープに似た弦楽器や琵琶とみられる楽器を奏でる楽隊が浮き彫りされている(帝塚山大提供)

 炭化しているが、祭礼の場面とみられ、
同様の板絵が完全な状態で発掘されたのは世界初。
シルクロード交易を担ったソグド人や、キリスト教などに影響を与えたゾロアスター教の研究に役立つ成果としている。

 木製で、幅1・4メートル、高さ1・3メートルの4段構成。
最上段に獅子に腰掛ける女神ナナー、
下段に箜篌と呼ばれるハープに似た弦楽器や琵琶とみられる楽器を奏でる楽隊、
火や供物をささげる人が浮き彫りされている。

遺跡は中央アジア最大のシルクロード都市があったサマルカンドの東南約30キロにある。
ソグド人の王の離宮で軍事拠点でもあったと考えられる。 
板絵は9月、ウズベキスタン考古学研究所との共同調査で玉座付近から出土。
周辺の火災層や出土貨幣から、710年にイスラム勢力に攻められた際に焼け落ちたとみられる。>
https://www.sankei.com/west/amp/171102/wst1711020082-a.html

Uzmapja01wk.jpg

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Uz-map-ja.png

2021-09-21

シルクロード 謎の民 

たまってた録画番組やっと観ました。
面白かった~!

タジク、ヤグノブ渓谷
タジキスタンの首都ドゥシャンベより北の山岳地帯に現在住んでいる少数民族
デュシャンベから北に80キロ、冬季は外界から閉ざされる大峡谷
ヤグノブ人が話すヤグノブ語は、昔のソグド人の言語を似ているソグド語 

言葉がソグド語と似ている

ヤグノブの結婚式では火の回りを回る儀式は拝火教の風習を残す。

シルクロード 謎の民 大峡谷に生きる 〜東西交易を支配した幻の民族〜
2019年01月12日/2019年07月24日
<中央アジア・タジキスタン。3000m級の山々に囲まれた大峡谷で、
少数民族ヤグノブ人が貨幣すら使わない伝統の暮らしを続けている。
最新の研究では、彼らはかつてシルクロードの交易を支配しながらも歴史から消え去った「幻の民」、
ソグド人の末えいとみられている。
なぜいま外界と隔絶した大秘境で暮らしているのか。
雄大な自然と四季折々の絶景に囲まれた暮らしを見つめるとともに、そのロマンあふれるルーツの謎をひもとく。>
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009051005_00000

<『辺境の地に生きるヤグノブ人と
かつてシルクロードの交易を支配したソグド人、
近年そのつながりを裏付ける新たな発見が相次いでいます。

ヤグノブ峡谷から北西に120km、ウズベキスタンで発掘されたカフィル・カラ遺跡
8世紀アラブ人に襲撃されたとき、ソグド人の王が住んでいた宮殿だと推測されています。
ウズベキスタンと日本の共同調査隊が調査を進めています。

2017年この遺跡で大きな発見がありました。
幅1.4m高さ1.3mもの巨大な板絵が発掘されたのです。
描かれていたのはソグド人の女神ナナー、そして人々がナナーに祈りを捧げる儀式の様子でした。
板絵は今慎重に修復作業が進められています。
日本・ウズベキスタン共同発掘調査隊の寺村裕史さんです。
これは板絵に描かれていたものを調査隊が書き起こした図です。』

この図には女神ナナーの他に儀式に使われる拝火壇が描かれており、
ソグド人がゾロアスター教を信仰していた事が読み取れるという。
NHKはヤグノブ人の結婚式で新郎新婦が火の回りを3周する儀式を映し出してその名残であると主張する。

さらに松尾剛アナウンサーは語る。
『もう一つヤグノブ人と共通する文化がソグド人の板絵に描かれていました。
ナナーに曲を捧げる音楽隊。
中心にいる男性が演奏している洋梨型の弦楽器、
ヤグノブ人も婚礼の宴で同じような楽器を演奏します。
ドゥタールと呼ばれる弦楽器、板絵に書かれた楽器と同じ形状です。
さまざまな共通点がヤグノブ人がソグド人の末裔だという説を裏付けるものだと見られています。』>
https://hohon88.hatenablog.com/entry/2020/09/13/062536

ヤグノブ語
<インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派のイラン語群に属する言語。
ヤグノビとも呼ばれる。
ヤグノブ川上流のタジキスタンのザラフション地域にあるヤグノブ渓谷で話されている。
ヤグノブ語はソグド語の直系の言語と考えられていて、学術的には現代ソグド語とも呼ばれる。>
https://www.wikiwand.com/ja/%E3%83%A4%E3%82%B0%E3%83%8E%E3%83%96%E8%AA%9E
https://en.wikipedia.org/wiki/Yaghnobi_language
Bielmeier. R. Yaghnobi in Encyclopedia Iranica
https://iranicaonline.org/articles/yaghnobi

ヤグノブ人(yaγnōbī́t;タジク語:яғнобиҳо、yağnobiho/jaƣnoʙiho)
<タジキスタンの少数民族。
彼らは、タジキスタンのソグド州のヤグノブ川、クル川、ヴァルゾブ川の谷に生息しています。
ヤグノブ人は、古代ソグディアであった アムダリヤ川を越えて
中央アジアのほとんどにかつて住んでいたソグド語を話す人々の子孫であると考えられています。>
https://ghorbany.com/inspiration/the-yaghnobi-descendants-of-the-sogdians-1
https://en.wikipedia.org/wiki/Yaghnobis
Paul Bergne
The Birth of Tajikistan: National Identity and the Origins of the Republic
2007

ヤグノブ川
Yaghnob ヤグノブダリヤ (ロシア:Ягноб,Ягнобдарья,)タジキスタンのソグド州Ayni地区の川。
イスカンデルダリヤと一緒に、ゼラフシャンの主要な左支流であるファンダリヤを形成
https://en.wikipedia.org/wiki/Yaghnob_(river)
https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%AF%D0%B3%D0%BD%D0%BE%D0%B1
ゼラフシャン山脈の南斜面にある氷河に由来し、狭い山の谷を流れています。
Great Soviet Encyclopedia.
http://bse.sci-lib.com/article128025.html


Tajikistansvg01wiki.jpg
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3
Tajikistan (orthographic projection).svg
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Tajikistan_(orthographic_projection).svg

Tajikistan_Map02wiki.jpg
Geography of Tajikistan
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Tajikistan_Map_TI-map.gif


Tadzhikistan_karta01cabara.jpg
How Do Yaghnobi People Live? A Report from the Remote Area of Tajikistan
https://belief.cabar.asia/en/2019/10/11/how-do-yaghnobi-people-live-a-report-from-the-remote-area-of-tajikistan

Yaghnobiregions01ww.jpg
ヤグノブ語話者の分布
ヤグノブ語
https://www.wikiwand.com/ja/%E3%83%A4%E3%82%B0%E3%83%8E%E3%83%96%E8%AA%9E

Amudaryamap01wk.jpg
ゼラフシャン川
https://en.wikipedia.org/wiki/Zeravshan_(river)

2021-09-20

今月のハチカフェ

最近、月一のお楽しみ~!
よくも毎月、新作をこれだけ考えるものだと
毎回感動してます~

hachi2109fche.jpg
たっぷりフルーツのレアチーズタルト

hachi2109choco.jpg
ショコラノワゼット
マーマレードジャムがアクセント
ヘーゼルナッツとショコラのタルト

hachi2109mascut.jpg
シャインマスカットと緑茶のタルト

hachi2109ichijiku.jpg
愛知県産いちじくのタルト
マスカルポーネベースのクリーム

2021-09-19

肺の話

うわ~!怖い~!

<肺が『内部の表面積がテニスコート1面分の、精緻に入り組んだ構造をしたガス交換器官』
であるという認識をしている一般人、世間にあまり居ませんからね(-_-;)
それを知ってたら、そこにタールがべったり着く喫煙なんて、怖くて出来ない。>
8月27日·
https://twitter.com/guldeen/status/1431160782687916032

2021-09-18

コロナ-アメリカの場合

アメリカ、なんかまだまだ恐ろしいことになっている…
気をひきしめなくては。
メモメモ…

9/17世界の新型コロナ感染状況
■感染拡大国
1位 アメリカ +16万人
17位 日本 +6千人
https://twitter.com/geiger_warning/status/1438660198365679617

<アメリカでの新型コロナによる死者数が約66万4000人に達したが、
これは米人口の500人に1人が死亡した計算と、実数で見ると日本の状況は遥かにましだと実感させられる>
9月16日
https://twitter.com/asmotan/status/1438320969886564355

1 in 500 Americans have died of COVID since 1st US infection
https://abc7ny.com/health/1-in-500-americans-have-died-of-covid-since-1st-us-infection/11022232/


<アメリカ全体では500人に1人がコロナで死亡したが、
ニューヨーク州単体はどうなんだろうと思って調べてみたら、
州人口1945万人に対して死者数が5万4300人、
約360人に1人が死んだ計算と出て、変な笑いがこみ上げてきた…>
9月16日
https://twitter.com/asmotan/status/1438399581096583171


州人口:https://census.gov/quickfacts/NY
死者数:
https://www.nytimes.com/interactive/2021/us/new-york-covid-cases.html

<いやー、これが一時は日本でも「これがリーダーとしてあるべき姿だ」などと
大絶賛されてたクオモが州知事やってた州の現実と考えると、
数字と現実って残酷だねと思わされるわー、つらいわー(棒>
9月16日
https://twitter.com/asmotan/status/1438402288834387973

<ニューヨーク市の割合ってどうなんだろうと調べたらね、
人口841万人に対して死亡者数が3万4000人、
247人に1人が亡くなった計算って出てね、もう笑いすら出なかったよ…>
2021年9月16日
https://twitter.com/asmotan/status/1438409089667665923

https://www1.nyc.gov/site/doh/covid/covid-19-data-totals.page

<米のコロナ死者数が世界最多に 500人に1人が死亡
人種別では先住民系が一番高く、ヒスパニック系、黒人、白人の順
日本では現在、およそ7700人に1人の割合で新型コロナにより死亡>
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6404610

<アメリカで新型コロナによる死者が66万5000人超え
数が多すぎてイマイチわかりにくいという方ものために日本で例えると、
島根県がまるまる消えかかっているレベルです(人口67万1602人)
ちなみに鳥取県は人口55万3,847人のため、とっくにオーバーキルされています>
0917
https://twitter.com/Ortho_FL/status/1438716918601453578

日本の死者数は9/17現在37位
https://www.worldometers.info/coronavirus/

2021-09-17

脱衣所の掃除

ここで部屋掃除を中断して
14日目は寝室の掃除
目が痒くなってきて、そういえば寝室掃除してないやと
サボっていた照明の傘とか長押も掃除
それから1年ぶりくらいの3間分の窓の敷居も掃除したぞ~!

15日目は
いきなり洗濯機・脱衣所周り 掃除をはじめてしまった
この間から気になっていたんだけど
洗剤を入れていた箱が腐っていた! (ダンボールだから仕方ない)
最初は箱を入れ換えるだけのつもりだったんだけど、
考えてみたら、洗濯機の前なので、水飛沫かかりまくりなんだよね。
そもそもそこに紙の箱(ダンボールの空き箱再利用)を置くのが間違い?
と思い至って、何とか一つだけある棚に
(細長くて小さいんだけど、空間的にそれしか入らなかった)
入らないかな?
と悪戦苦闘をはじめてしまった。
下の棚には使っていない謎の液体の入った容器がいつくもあったので、
それを処分して、洗剤の空き箱を処分していったら、
入ったよ~!
あと余ったバケツとか洗面器をまとめて上の棚に
よし!
床に置いていたモノがなくなったぞ!

で、床が出てきたらこれが汚い!
洗濯機の下も久しぶりに掃除した!

2021-09-16

部屋掃除 3

ここから9月
部屋掃除9~13日目
廊下側のワゴンの棚に取りかかる
まず 上の棚~聴講した講演の資料、旅行のパンフレット…未整理の山だな、ここも…
ワゴン 中の棚~雑紙がほとんどだった
ワゴン 下の棚~イランのガンドブック、辞書、旅行記の資料も出てきたよ…

その間、家族は照明の傘とか長押の埃払いをやってくれました。
それから、床の間のフィギュアの埃払いを4日かかってやってくれました~!
ありがとうございます~!!!

それから炬燵のワゴンとテーブルの上
捨てられないメモノート類は空いたワゴン棚の方へ移動。
ふう…。何とか半分終わったかな?

2021-09-15

部屋掃除 2

部屋掃除
断続的に6日目
壁の端の隣の壁の前の角の山
一番面倒くさいカオスの山
イランの資料だけかと思ったら、アフリカの山が出てきた!
うわ~!ここにもあったのか!

部屋掃除7日目
奥の方で島になっているダンボールの資料をチェック
3つほど…まとめる
インドの箱が出てきたよ!ここにあったのか!
シリアも出てきた! そうか、ここに移動したんだった

8日目
シマになっている一番でかいダンボールに着手
聴講に行った講演資料の山
整理途中で中断したままの伊東忠太資料…そうだった…

ここまで8月分
いやあ我ながらよくやった!
手伝ってくれた家族にも感謝!
とても一人ではできませんでした!

いらなくなったコピー資料、パンフレット、その他雑紙・裏紙…紙袋5個分くらいは処分できたぞ!
(古いカメラの資料とか書評とかの資料が膨大に出てきたなあ)

2021-09-14

部屋掃除 1

壁に穴が空いていた
この自分の部屋は
今では物置になっていて、カオスになっている。
未整理の資料の山。
片づけようとして、何度も挫折して、放置プレイ状態。
今回ようやく重い腰を上げて、
あの後、部屋の掃除をはじめました。
とても一気にできないので、少しずつ
一日30分~1時間
これくらいなら、続けられるんじゃないかと。

1日目
まずエアコンの下の棚 1メートルくらい
古い資料処分、民族音楽の資料出てくる-これは保存

2~5日目
掃除続き、エアコンの壁側1日目の隣 1メートルくらいずつやって、
やっと壁側の端から端まで到達
未整理の山積みの資料、本の整理
主に埃払い 
古い資料の処分~気になることがあると、とすぐに膨大な資料を集める性分なので、
すぐに山積みになる
でももう、調べて気が済んだ分野や、もうとても手が回らないだろうジャンルは諦めた


2021-09-13

和歌山モデル

和歌山もすごいですね~。
メモメモ…

<和歌山県の資料。
ワクチン2回後感染判明者の詳細な疫学データ、抗体価の測定データも。
これは医療者は必見の価値あり。>
0820
https://twitter.com/hane_ohp/status/1428496962844721154
https://pref.wakayama.lg.jp/chiji/message/

<これは鳥肌もののデータ
これは事前に何を出したいか 
綿密に練ったうえじゃないとデータ収集できない類のものなので、
いやホントすごいです(語彙力

和歌山県 仁坂知事のメッセージも一読の価値があります。
自粛一辺倒でもなく、経済一辺倒でもなく。>
https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/message/message_backn.html

<行政の報告に、技監の先生の個人名がでてるのって、かなり異例ですごいことですよね。
ゆーてもプレーヤーなんて限られてますから、
ほっておいてもデータが揃っててまとめればいい 
なんてことはないはずなので、
この野尻先生という先生が、存じ上げでせんでしたが、むっちゃすごいんですよね。

「よくまとまってるなぁ」の背景には
①手元にあるはずのデータを認識して
②ストーリーとして過不足なくまとめる設計
③実際に収集されるように現場に指示
④このあたりでデータの限界が見つかって
⑤ストーリーや構造を微修正しつつ
⑥集計する⑦副知事等へのヒアリングで微修正 みたいな段階ありますよね>

2021-09-12

墨田区のワクチン接種はなぜ速いのか

墨田区すごいです! その2

東京・墨田区のワクチン接種はなぜ速いのか
江川紹子
ジャーナリスト・神奈川大学特任教授
8/16(月) 17:54
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20210816-00253513

<新型コロナウイルスの重症患者が急増している。特に40代・50代の重症化が目立つのが第5波の特徴で、東京都では重症患者の6割を占める。だが、この年代へのワクチン接種の進み具合は、自治体によってばらつきが大きく、かなり遅れている所も多い。そんな中、東京都墨田区では、今月7日時点で1回の接種を終えた40代は区民の6割を超え、50代は7割近くに達している。

今月13日付日経新聞電子版によると、同紙が緊急事態宣言下にある6都道府県の主要都市の1回目接種率を調べたところ、墨田区は50歳代で71.9%、40歳代で60.6%とダントツに高かった。40代については、さいたま市(6.7%)、那覇市(16.4%)、大阪市(17.7%)、世田谷区や品川区(17.8%)などと接種率が伸び悩む自治体が少なくない中、墨田区の進捗状況は際立っている。その効果か、陽性者数の推移を示すグラフからは、陽性者が下降の兆しも見てとれる。

 なぜそれができたのか。同区のコロナ対策の陣頭指揮をとる西塚至・同区保健所長に話を聞いた。

困難なスタートからの巻き返し
なぜ墨田区は、こんなに速いんでしょう?

「いえ、決して順調に行ったわけではありません。出足が遅れ、想定外のこともいろいろ起きました。大学病院があるわけでも、集団接種に向いた広い施設があるわけでもなく、大きい施設は五輪で抑えられて、条件は決して恵まれていません。それでもなんとか巻き返し、いろんなことを積み重ねて、結果的に今がある、というのが実情です」(西塚さん、以下囲み内は同様)

 どのようなことを積み重ねてきたのか。西塚さんへのインタビューや資料から、主要な事柄を確認していきたい。

高齢者枠を使ってでも、まずは医療従事者に接種、という判断

 同区では昨年7月頃から、地元医師会とコロナ対策について協議を行う中で、ワクチンについても話し合いを重ねてきた。12月に区役所内に予防接種調整担当課を立ち上げ、ワクチン接種の準備を進めた。

 しかし国のワクチン調達は遅れ、当初は輸入量が少なかった。高齢者への接種が開始される4月12日時点で、東京都に割り当てられたワクチンは4箱(3900回分)のみ。高齢者人口の多い地域から配分が始まり、初回は世田谷区と八王子市が2箱ずつ配分を受けた。墨田区としてはいささか出鼻をくじかれるスタートとなった。

 墨田区は接種初日の4月17日、集団接種の予行演習をかねて、区内の医療従事者に接種を行った。国の計画では、医療従事者の接種は都道府県が行い、市区町村は住民接種を担当する、ことになっていた。それをあえて、医療従事者からスタートさせたのだ。

「区は住民のことだけ考えていればよいはずでした。しかし、予約システムがダウンするなど、都の医療従事者接種は遅れ、(高齢者への接種を行う)医師がワクチンを打てずにいました。それで、うちは住民接種の枠を使ってでも、まずは医療従事者の集団接種を先に行おう、と」 

 これは、その後のワクチン接種について、医療従事者の士気を高める効果も生んだ、という。その後、全国各地で、自身は未接種のまま高齢者施設で接種を行う医師たちから不安の声があがったが、墨田区ではそうした事態はなかった。ちなみに、同区では救急車で患者を搬送する消防署員にも、5月には接種を行った、という。


”災害時の頭”で考える
接種券を早い時期に配ったわけ


 墨田区の特徴の1つは、ワクチン接種券の配布が早かったことだ。高齢者施設の接種に目処がつき、一般の高齢者の接種が始まったのは5月10日だった。だが65歳以上の区民の接種券は、2か月近く早い4月1日には発送していた。そして6月1日には、都内で最も早く、16~64歳の全ての区民に発送を行った。

「定期接種など”平常モード”では、事業開始の直前に接種券をお送りするのが普通です。しかし、今は”危機”。”災害時の頭”で考えると、大事なのは1人でも多くの人が、ワクチンを打つことです。一足早く接種が始まった世田谷区の高齢者施設に、墨田区民が暮らしているかもしれない。他区の施設で働いている区民もいるでしょう。そういう方々が、接種券がないために打ちそびれる、という事態が起きないよう、とにかく接種券だけは早くお配りしよう、と。1人でも2人でも、今居る場所で打って下さい、という思いでした」

 この”危機モード”対応は、後に想定外の恩恵を区民にもたらすことになった。

対象者の5%が自衛隊のセンターへ

 65歳以上に限定して行われていた自衛隊の大規模接種センターが突然、6月16日からの年齢制限撤廃を発表。遠方の東京・大手町の会場まで出向くよりも地元で打ちたい、という高齢者が多かったようで、希望者が想定を大きく下回ったためだ。

 若い年齢層の接種が可能となったが、予約には接種券が必要。しかし、この時点で多くの自治体は64歳以下には配布していなかった。そんな中、墨田区の人々はすでに接種券を手にしており、区民は次々に自衛隊のセンターに赴いて接種を受けた。

「これは大きかったです。1万2000人、対象者の5%が自衛隊に行って打って下さった」

災害時の助け合い

 住民の協力もあった。


 自衛隊のセンターでは、モデルナ社製のワクチンを使用。当初、厚労省はモデルナを接種可能な年齢を18歳以上としていた(その後12歳以上に変更)。また、モデルナは副反応が出やすいという話が出回り、1回目と2回目をファイザーより長く4週間空けなければならないこともあって、敬遠する人も少なくなかった。

「ところが、区内の大人たちから、『自分たちは自衛隊に行って、モデルナを打とう』という声があがったんです。ファイザーが足りなくなる、という時期でもあり、『ファイザーは子どもたちに回そう』という草の根の運動になって、自衛隊での接種が増えました。災害時は、地域の助け合いがあってこそ、です」

区直営の集団接種をメインに
危機には「割り切り」も必要


 墨田区の”危機モード”対応は、ほかにもある。

「”平常モード”であれば、日頃診てもらっている身近なかかりつけ医に打ってもらうのが一番です。ただ、今は災害時。危機にあっては、割り切るところは割り切って、最大限効率化を図り、数を多く打つのが大事。それに、このワクチンは1瓶から6人分とらなきゃいけないので、個別の診療所でやっていると余ってしまうことも。冷凍庫で保存する必要があるなどの使いにくさもあります。

 やはり、こういうものは集団接種がいい。これは2009年の新型インフルエンザの時の経験でもあります。国がいくら練馬方式(診療所での個別接種をメインに、集団接種で残りをカバーする)を推奨しても、うちはブレずに”危機モード”で対応し、集団接種メインで行くことにしました」

”小分け隊”の活用でムダなく数を稼ぐ


 当初は4つの区施設を使い、そのほか7病院でも個別接種を実施した。このうち墨田中央病院の接種では、千葉大学墨田サテライトキャンパスが会場を提供した。運営は民間に業務委託せず、区が直営し、ワクチンの在庫管理や配送は、職員による”小分け隊”が行った。

 キャンセルが出た場合は、区の危機管理Twitterやメールで区民に告知して希望者を区役所に集め、”小分け隊”が余ったワクチンを回収、西塚さんら保健所の医師が接種した。こうして、ムダを出さずに接種回数を稼いだ。地元医師会も”危機モード”を共有。集団接種の打ち手は、すべて区内の医師たちでまかなった。

「大きい施設はオリンピックに抑えられて使えないなど、条件は厳しく、地域にある資源を最適化して使うしかなかった。でも、それをやってみたら、いろんないいことがあった。特に地元医師会は自分たちが責任をもってやろうと士気が高く、おかげで事故なく、質が高く、長続きしている」

等身大の形作り

 接種券の発送や会場の設営は、選挙の際の入場整理券や会場作りと同じ、ということで、選挙管理委員会の職員が担当した。ワクチンに関する情報を掲載した区の広報紙は全戸配布することとし、これにも選挙公報配布のスキルが生きた。

「形を作って丸投げするのではなく、自分たちにできる等身大の形を作り、そこにちゃんと血が流れるように、職員が町内を回って苦情聞きなどもやって、形をさらに整えていきました」

 住民の声を聞く中で、若い世代の接種を進めるには、夜間、駅の近くで行う必要があると分かった。そこで、6月末から東京スカイツリーに隣接するビル、JR錦糸町駅と両国駅近くのホテルにも接種会場を設置。平日は午後8時まで、さらに土日祝日にも接種を行えるようにした。スカイツリー会場には託児所も設けた。

二転三転する国の方針にも柔軟に対応
当初から複数のワクチン使用を計画


 国のワクチン供給が不安定な中、墨田区は接種が始まる前の段階から、モデルナ社製ワクチンの使用を計画に組み込んでいたことが奏功した。

 接種が始まった時点で、厚労省が承認していたのはファイザー社製ワクチンのみだった。モデルナ社とアストラゼネカ社のワクチンが特例承認されたのは5月21日。しかし墨田区では、3月に公表した「実施計画」で、7月にはアストラゼネカとモデルナのワクチンを導入して、接種を加速させる計画を明らかにしていた。両社のワクチンは、ファイザー社製とは接種の間隔が違い、在庫管理も異なるので、複雑なオペレーションが必要になる。しかし、同区では接種の加速には、ファイザー以外のワクチンも必要になると考え、事前準備をしていた。それが、以下のように役立つことになる。

事前準備でモデルナ確保

 6月11日、ワクチン担当の河野太郎規制改革担当相が、市町村の集団接種でもモデルナの使用を認める方向を示した。あらかじめ計画済みの墨田区は、すぐに手を挙げた。この素早い反応で、同区はモデルナの配送を受けることができた。

 国が自治体でのモデルナ使用を認めたのは、7月からはファイザーの輸入量が減る分を補うためだった。ところが国は、同月22日には再度の方針変更をした。モデルナを使用する職域接種の申し込みが多く、「1日の可能配送量はもう上限に達している。このままいくと、供給できる総量を超えてしまう」として、自治体のモデルナを使った集団接種と職域接種の申請を中止したのだ。準備が間に合わず、配分を受けられなかった自治体もある。

在庫を出し惜しまない

 ワクチン供給不足への対策として、河野行革担当相が一時、在庫が多い自治体には配分を減らす、という新方針を示し、全国の自治体が混乱したことがあった。この時も、墨田区は影響を最小限に済ませた。扱いが面倒なワクチン接種記録システム(VRS)は、区職員が残業してこまめに入力。2回分を確保しないと1回目の予約をとれない、という自治体が予約を停止している中、墨田区では西塚保健所長が「在庫は出し惜しみせず、ペースを落とさずに予約や接種を進めて下さい」と、現場に檄を飛ばした。

「平常であれば2回確保してから予約をとる、となりますが、これも”危機モード”で対応しました。モデルナがありますし、国の輸入予定量は公表されていましたから、そういう情報を常にチェックしながら、大丈夫だろう、と。カラ元気でもありましたが、在庫ゼロのおかげで、”ボーナス(追加)”も来ました。この時期に加速するはずが、それはできなかったけれど、(ファイザー供給減の)前と同じ水準は保てた」

 このように、ワクチンを巡ってしばしば二転三転する国の対応にも、早い時期からの準備と、”危機モード”による柔軟で大胆な反応で、切り抜けてきたのが墨田区だった。

通年議会が補正予算に迅速対応

 加えて、区議会も”危機モード”を共有。ワクチン接種会場の増設など、様々な変化に伴う予算の確保に素早く対応した。

「昨年の11月から通年議会となっていたこともあり、毎月のように補正予算を通してくれるので、次々に変化する状況に迅速に対応できたんです」

 毎月の議会で、議員が住民の要望を披露したのも、情報として役立った、という。

”危機モード”共有の背景

 このように区、地元医師会、住民、議会などが”危機モード”を共有できた背景には、墨田区特有の事情もありそうだ。

 隅田川沿いにある同区は、水害の危機と常に向き合っている。最悪の事態では、ほぼ全域が水没することもありうる、と予測されているからだ。大雨の予報が出るたびに、同区は水害の発生を警戒する。常に最悪の事態を想定して考える”危機モード”の思考が鍛えられ、コロナ対応でも生きたのではないか。

 同区では昨年1月末の段階から、新型コロナウイルスを新たな「災害」、それも警戒レベル5の最大級の災害ととらえて対応してきた、という。国や東京都では、第5波で重症患者数が過去最高を日々更新する事態になって、ようやく「災害級」という言葉が出てきたのに比べると、危機への向き合い方が異なるように見える。

 この”危機モード”を区、医師会、住民、議会が共有し、連携することで、次々に生じるいろんな問題をうまく飲み込み、ペースを落とさずに接種を続けることができた、と言えるだろう。

ワクチン以外でも素早い対応

 墨田区が速いのはワクチン接種だけではない。医療提供体制についても、際だった対応が見られた。2つの例を挙げる。1つは、地域完結型の医療体制「墨田区モデル」の構築。もう1つは、抗体カクテル療法のすみやかな導入だ。

回復期の患者を中小病院が引き受ける

 コロナ禍の日本で、医療が逼迫する原因の1つに、回復した重症者の転院が困難、という問題がある。患者は人工呼吸器から離脱できても、すぐに日常生活には戻れるわけではない。その後の治療やリハビリが必要だが、そのための転院先がなかなかみつからないのだ。

 これに対応するため、墨田区は今年1月25日、地域の病院が連携して、転院を進める仕組みを作った。同区では第一種感染症指定医療機関である都立墨東病院が重症患者を、同病院と重点医療機関の病院が中等症患者を引き受けている。そして回復期に入った患者は、他の中小私立病院が次々に受け入れ、重症者や中等症患者のためのベッドを空けるようにした。

墨田区モデル

この体制を導入して3日後には、入院待機者が0になった。今も、医療崩壊を食い止めている。

 速やかな体制作りが可能になったのも、災害時を想定した、常日頃からの地元医師会と保健所の関係があったからだ。

「危機を想定し、墨東病院には『断らない医療』をやってもらい、そこがいっぱいになったら地域の医療機関が後方支援で引き受ける、という意識が、地元の病院経営者には以前からある。今回は、墨東をパンクさせないために、自分たちが支えていかなければならないという危機感が、地元医師会の中でより一層強い」

抗体カクテル療法にもいち早く対応

 抗体カクテル療法は、2種類の抗体を点滴投与する治療法で、軽症者の重症化を防ぐ効果がある。アメリカのトランプ前大統領が感染した際、この治療を受け、早期に回復したことで知られる。日本では、7月19日に重症化リスクの高い軽症・中等症患者の治療薬として特例承認された。墨田区では、同愛記念病院に区民優先の病床を20床確保していたが、ここで同月27日から必要な患者にこの療法を行うことにした。8月13日までに20人の患者に実施し、いずれも経過は良好、という。

 東京都がこの療法のための病床20床を確保したことを発表したのは同月12日だったことを考えると、墨田区の手際の良さが光る。これも、”危機モード”による早い準備が生んだ。

「4月に、近いうちに特例承認されるという情報があったので、区内の病院で実施しようと、5月頃から病院と勉強をしてきました。当初は4つの病院で実施しようと考えていたのですが、入院が必要とのことなので、区民のための病床を確保していた同愛記念病院で行うことにしました」

 準備を急いだのは、第4波の大阪の状況を見て、危機感を募らせたからだ。地元医師会と共に、神戸市民病院の医師を招いたweb上の研修会を行い、関西でどのようなことが起きたのか、詳細を学び、対策を検討した。

「酸素が足りない、中等症のベッドは一杯になり、感染者が減らない。このような大阪の第4波が東京でも起きる、という前提で準備をしたのが、今生きている」

十分な検査態勢を整える

 このほか、コロナ対応としては、検査態勢を区独自で充実させてきたことも大きい。それは、昨年4月に墨東病院でクラスターが発生し、新たな入院や救命救急センターでの患者受け入れを停止した時の教訓からだという。

「国立感染症研究所が入って、症状のない人も含めて全員の検査をやった。そのやり方から学ぶことが多かった。ウイルスは目に見えない敵なので、徹底した検査しかない」

 しかし当時、東京都としてできる検査は1日に200-300件ほど。そのため、医師が必要と判断しても、検査を受けられない発熱患者がいた。墨田区は、独自にPCRセンターを設置。6月に検査会社を区内に誘致し、通常の3割程度の金額で1日240件の検査を行えるようにした。

 さらに、保健所自身が唾液によるPCR検査を開始した。検体を唾液にしたのは、医師がいちいち咽頭を綿棒でぬぐう作業をしなくてすむので、大量の検査に適していると考えたからだ。

 最初に大規模な検査を行ったのは昨年6月下旬。地元のオーケストラ、新日本フィルハーモニー交響楽団の楽団員ら74人のPCR検査で、全員の陰性を確認した。それまで演奏活動を自粛していたオーケストラは、7月初めに演奏会を再開した。

「自前の検査なので午前中に検体を出せば、2時間後には結果が分かります。費用も1人1000円くらいで済みます。どこかの施設で1人陽性者が出れば、すぐに全員の検査をやる」

 陽性者の第一報を知ると、西塚所長自身も防護服を着込み、検査のために現場に向かった。高校受験の時期は受験生の検査を行い、小学校の移動教室など人数が多い時にはプール方式で検査した。夜の街が危ないという話が広がった時期には、向島の花街の芸者たちの検査を実施。「向島は安全だと示したいので、ぜひやってください」という芸者衆の要望に応えた。

「人は大事」

 こうした対応が可能になったのは、1人の保健所職員がいたからだ。ベテラン検査技師の大橋菜穂子さん。西塚所長が独自の検査実施の方法について頭を悩ませていたところ、大橋さんが「私はPCR検査ができます」と申し出た。

 2014年に代々木公園でデング熱が発生して以来、大橋さんは毎月のように、区内の公園で蚊を採取してはすりつぶし、PCR検査でウイルス感染の有無を調査し続けていた。結果はいつも陰性だが、それを確かめるために、大橋さんは黙々と検査を重ねた。PCR検査の技術を磨き、機械もメンテナンスを欠かさなかった。

 それが、このコロナ禍で生きた。大橋さんは、感染症研でコロナウイルスの検査の手法を学び、今では変異株の検査も担っている。

「昔は、検便も結核の検査も、水道の検査も、すべて保健所でやっていた。それが次々に民間委託となり、保健所から検査機能が失われ、保健所そのものも減らされてきた。そんな中、商売にはならない蚊の検査を続けてきた検査技師が1人いたおかげで、コロナにも対応できた。本当に、人は大事です。金にならないことをやって、危機に備える。これこそ公衆衛生です」

適切な情報の公開

 住民への適切な情報発信も心がけた。象徴的な事例が、早期にコロナ対応をする医療機関名の公表に踏み切ったことだ。

 新型コロナの感染が疑われる患者に対応する医療機関は、都道府県が「診療・検査医療機関」を指定した。ただ、多くの自治体は「風評被害」を恐れて機関名を公表しなかった。東京都も同様。そのため、患者が受診するには、かかりつけ医か都の発熱相談センターに相談し、紹介を受けなければならない。同センターに電話がつながらないことも多く、煩雑さから、症状があっても軽症の場合、医療機関にかからずに済ませる人も少なくなかった。

 そうした人が感染を広げる懸念から、墨田区は昨年11月、区内の「診療・検査医療機関」の名称公表に踏み切った。それによって受診がしやすくなる利便性と、感染拡大の抑制が狙いだった。区の広報紙では、年末年始の発熱外来を行っている医療機関名と診療日や連絡先などを詳しく伝えた。

 さらに、西塚所長がTwitterなどのSNSを使って、区の対応を丁寧に説明。西塚所長のアカウントには、「家族が熱を出した。どうしたらいい?」「熱がある。日曜日だけど、どうしたらいい?」といった相談も頻繁に飛び込む。そのたび、「○○なら、予約なしで受診できます」などといった情報を伝えている。

「自分が必要な時に必要な情報が得られずに困っている人がいる。そういう人をとりこぼさないようにしたい。災害時は、区としては大きく構えて対策をしなければならないが、こういう細かい情報を補強するにはSNSは有益です」

 このような対応をするため、自宅にいても、スマートフォンは手放さない。

 ちなみに、施設で患者が確認された時、噂や風評被害を防ぐため、同区では施設名も公表している。

保健所の役割とは

 保健所の仕事について、西塚所長はこう語る。

「いろんな資料を分析しながら、地域の弱みを常にウォッチして、必要な資源を作って供給していく。インテリジェンスとロジスティクスです。墨田区は一貫して、これが公衆衛生を担う保健所の役割と認識してやってきました。私たちは、尾身先生たち専門家が言うことを忠実にやってきただけです。その(提言を実現する)ために必要な資源は用意する。現場の医師たちが『検査をしたい』『患者を入院させたい』と言う時に、ちゃんとできるようにする。これが保健所の仕事です。

 資源が足りなければ、作る。たとえば、東京都の検査能力が限られているからと、検査数を絞るのではなく、検査がより多くできるようにしてきました。国や都の対応を言い訳にせず、資源にニーズを合わせるのではなく、ニーズに資源を合わせるんです」

 そのための工夫をし、早めに準備を整えて、あらゆる立場の人たちを結びつけていくのが、西塚流の真骨頂と言えるだろう。

 平成元(1989)年度には、全国に848あった保健所は、合理化の波に洗われて、現在は470まで減らされた。その保健所が今、新型コロナウイルスとの闘いで要の役割を担っている。

「だいぶ減らされたとはいえ、うちに検査技師がいたように、今もまだ保健所には様々なスキルが残っています。その力を、今発揮しないで、いつ発揮するのだ。そんな思いでやっています」

 各地でも今、それぞれの地域の事情を踏まえた保健所の奮闘がある。その保健所の機能を存分に生かすためにも、また、各地でワクチン接種を加速化するためにも、国や各自治体が西塚所長の話から学ぶところは多いのではないか。>

2021-09-11

「墨田区の凄まじい戦略」

墨田区、すごいです!

東京都では「自宅療養者のフォロー」も崩壊…そのウラで際立つ「墨田区の凄まじい戦略」
山岡 淳一郎
0812
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/86141

<第五波のデルタ株の蔓延で、東京都のコロナ患者の受け皿は底が抜けた。都は約6000床の病床を確保しているが、即応できるのは半分ばかり。自宅療養者が2万人ちかくに膨張している。感染者を病院や宿泊療養ホテルに振り分ける保健所の職員は、患者の自宅放置状態をこう語る。

「先月下旬から都の入院調整本部に患者さんの入院先を求めても、38℃以上の高熱だけでは無理。重大な基礎疾患、それも大学病院や公立病院を定期受診して病歴がはっきりしていないと難しい。

先日は、血中の酸素飽和度80%の方の入院を調整本部に委ねたけど、10病院で拒否されました。まだか、まだかと催促している間に本人が救急車を呼んだ。酸素飽和度は、なんと60%まで下がっていた。救急隊が大慌てでやっと大学病院に搬送できたんです」

第五波のデルタ株の蔓延で、東京都のコロナ患者の受け皿は底が抜けた。都は約6000床の病床を確保しているが、即応できるのは半分ばかり。自宅療養者が2万人ちかくに膨張している。感染者を病院や宿泊療養ホテルに振り分ける保健所の職員は、患者の自宅放置状態をこう語る。

「先月下旬から都の入院調整本部に患者さんの入院先を求めても、38℃以上の高熱だけでは無理。重大な基礎疾患、それも大学病院や公立病院を定期受診して病歴がはっきりしていないと難しい。

先日は、血中の酸素飽和度80%の方の入院を調整本部に委ねたけど、10病院で拒否されました。まだか、まだかと催促している間に本人が救急車を呼んだ。酸素飽和度は、なんと60%まで下がっていた。救急隊が大慌てでやっと大学病院に搬送できたんです」

墨田区のスゴさ

墨田区は、50代のワクチン接種率が65・1%、40代が58・3%と他区を大きく引き離す。さらに自宅療養の割合が増えている現段階においては、自宅療養者への医師+看護師の訪問診療やオンラインの健康観察、軽症で重症化リスクの高い患者への抗体カクテル療法、区独自の優先病床20床を活用した中等症患者の治療と回復後の自宅への下り搬送と、「地域完結型」のコロナ戦略を打ち立てている。

人口27万人の墨田区では、都立墨東記念病院(765床) が感染症指定病院として重症、中等症の患者を引き受けている。そのほかは同愛記念病院(403床)と200床以下の小さな病院が幾つかあるだけで大学病院はなく、町場の診療所が地域の医療の担い手だ。けっして医療資源が豊かとはいえない墨田区が、どうして先駆的なシステムを築けたのか。

じつは、墨田区の独行の始まりは、厚生労働省や専門家会議(現・コロナ対策分科会)がPCR検査を抑制していた昨春にさかのぼる。連日、墨田区保健所には区民から「熱があるので検査をしてほしい」と電話が入った。

大多数の自治体はキャパシティ不足を理由に検査を断っていたが、新任の保健所長、西塚至氏は「必要な検査はすべてやろう」と職員を鼓舞。自前の検査施設を立ち上げ、保健所の医師自ら検体を採取した。西塚氏は、PCR検査の拡大に踏み切った医学的背景を、こう語る。

「新型コロナ感染症では感染者に症状が出る前からウイルスが体外に出ており、かつ症状の強い人ほど多くのウイルスを体外に出すわけでもない。SARS(重症急性呼吸器症候群)やインフルエンザのように、発熱した人から感染源をたどっていくことはできないということを、武漢からのチャーター帰国便の感染者や、横浜に入ったクルーズ船の感染者を数多く診療した墨東病院の医師から聞いていました。従来の常識は通用しない。無症状の人までPCR検査を広げないと感染者を特定できないとわかったのです」

墨田区は、保健所に最新鋭の検査機器を導入し、民間検査会社を誘致して検査のキャパを拡大。クラスターが発生すれば「ローラー作戦」と呼ぶ大規模検査を実施し、陽性者を隔離する。

その一方で、西塚氏は区内の医師会、診療所と病院の責任者が参加するウェブ会議を立ち上げ、行政と医療機関との連携を図った。

昨年暮れから今年初めにかけての第三波では、ウェブ会議で病院間の情報を共有し、回復した高齢患者を地域の七つの病院が受け入れる「下り搬送」のしくみを機能させる。墨東病院で回復した患者は、次々と地域の病院に送られ、病床の逼迫が解消された。

保健所を大増員

こうした積み重ねの先に、第五波の現役世代対応型の医療システムが構築されている。西塚氏は、その基本的な考え方を、こう説く。

「公衆衛生(パブリックヘルス)を担う保健所の役割は、インテリジェンス(情報分析)とロジスティクス(兵站)です。住民の心と体の健康を守るために地域に何が足りないか。資源はどれぐらいあるか分析し、先を読んで人やモノを調達する。検査能力が足りなければ自分でつくればいい。住民ニーズは高いのです」

当初、10人だった墨田区保健所のマンパワーは、人材派遣会社からの保健師(看護師)や区役所の他の部署からの応援を含めて約100人に拡大している。西塚氏らは、今年5月、第四波で医療崩壊に見舞われた神戸市から医師を招いてウェブ会議で話を聞き、明日はわが身と病床の拡充に乗り出した。

もともと墨田区には四つの「入院重点医療機関」があり、そのなかの一つに区独自に運用できるコロナ病床を13床確保していた。軽症者用の病床だったが、この墨田区優先枠を一挙に60床ちかくまで拡張するよう病院に要請した。

病院側は、これに応じ、7月初旬から墨田区優先病床が稼働する。さらに60床のうちの30床を中等症対応にグレードアップ。そのうち20床が墨田区優先の中等症病床とされた。酸素投与やステロイドが使えるようにして8月上旬から中等症患者を受け入れている。

オンライン診療も軌道に乗った


並行して、自宅療養者への医師と訪問看護ステーションの看護師の往診、オンライン診療による見守りを軌道に乗せた。8月6日時点で、墨田区には自宅療養413人、入院60人、宿泊療養126人の感染者がいる。全体の約7割が自宅療養だ。西塚氏は、自宅療養と墨田区優先病床の連携について、こう語る。

「今回の波は、若くて軽症の患者さんが多いのですが、頭が痛い、お腹が痛い、薬が効かない、食べられないという自覚症状で重症だと思い、病院に行く、救急車を呼ぶ。つまり患者さんの不安が病床逼迫の大きな要因の一つなのです。その不安を減らし、安心の灯をどれだけ見せられるかが勝負です。だから往診やオンライン診療でひんぱんに連絡を取って、軽症の説明をし、治療をして落ち着いていただく。

そして、もしも症状が悪化して中等症になったら、区の優先病床に入っていただく。ただ、この病床は区民共有の医療資源ですから、回復したら休日でも夜間でも、退院していただき、ベッドを空けて、次の方が入れるようにする。10日間の療養期間中であれば民間救急車で自宅までお送りします。

できるだけ軽症のうちに重症化の芽を摘む。そのために抗体カクテル療法も行っています」

海外の治験で入院・死亡リスクが約70%減らせるという抗体カクテル療法、まれにインフュージョンリアクション(急性輸液反応)というアナフィラキシーショックに似た副反応も起きることから、国は登録した医療機関への入院で、発症から7日以内などの条件をつけて使用を認めている。

墨田区では四つの入院重点医療機関が登録。軽症でも抗体カクテル療法の条件に合う人がいれば、区の優先病床で実施する。同愛記念病院では、7月下旬から8月10日までに16人の患者が抗体カクテル療法の点滴治療を受けている。

「区内の全症例を把握しているのは保健所ですから、重症化リスクがあって、比較的反応のよさそうな若い患者さんに抗体カクテル療法を受けていただいています。お金があろうが権力を握っていようが関係ない。公正に重症化しやすい方を見つけて、区の病床に入っていただく。いよいよ病床が足りなくなった場合に備えて、酸素濃縮装置を確保して、24時間対応で医師が往診し、ステロイド剤も在宅で投与していただく態勢をとっています」>



2021-09-10

尾身先生の言葉

尾身先生という方は本当に奥深いというか、凄いというか、こんな人がいらっしゃるというだけで、希望です。
どれだけの経験と絶望を体験してきたのかと思うと
悟りを開いた菩薩のような方なのではと。
メモメモ…

「なかなか厳しい状況になっていると思うが、打つ手がないと言った瞬間にさらに悪化する」

どんな経験からこの発言に至ったのかなぁ。忍耐力半端ない。>
0819
https://twitter.com/codeblueflower/status/1428310633485770756

<尾身先生のことを御用学者呼ばわりする人たちがいるけど、そうじゃない。
尾身先生は政府と対話を続けるために、
常に政治経済との落とし所を探りながら提言するスタイルを、
それはそれは忍耐強く続けておられるのだと思う。
政府が尾身先生の言うことに耳を傾けなくなったらその瞬間日本は終わる。>
https://twitter.com/jamtan9/status/1428325682573053973

【LIVE】新型コロナウイルス感染拡大 専門家会議が会見
youtube.com/watch?v=LyVz-Py_5n8 
<なにがアレかというと
「本物の専門家の言うことはマジですごい」ということだ。
この当時「もう手遅れだ。日本はもう終わった祭り」をしていた偽物が多い中、
よくこういうことを自信を持って言えたなと思う。>
5月12日
https://twitter.com/kanenooto7248/status/1260180597156089856

<専門家会議のなにがすごいかというと、
「素人や他の別ジャンルの科学者が見えてないものがマジに見える人たちがいるんだ」ということだよなあ。>
https://twitter.com/kanenooto7248/status/1260181067463417857

<実際問題、「2週間で減少に転じる」とか、よっぽど自分たちのやってることに自信がないと言えないし、実際にそうなるんだからちょっと信じられなかった。>
https://twitter.com/kanenooto7248/status/1260181344467873792

WHO日本人職員としての経験から考える現代日本の課題
https://medicalnote.jp/contents/161202-001-ZQ

<いやしかし俺なんかだいぶ前から、マスクなしで集まってバカっぽく喋ってる若者とかもう好きにバラ撒きやがれと思ってるのに、わざわざそのレベルに降りていく尾身先生とか神すぎて信じ難い 釈迦かキリストか何かか
もう穴があったら入りたすぎるのでちょっと死んでくる>
9月4日
https://twitter.com/iJohannes5430/status/1433978516383485955

2021-09-09

お医者さんと看護師さんが足りない

<これ分かりやすいな>8月23日
https://twitter.com/q44bh4aD6wzu8Pv/status/1429751687800000515

医療大国の日本、なぜ危機に? コロナ急拡大、現場の見解は
2021/6/3
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=760726&comment_sub_id=0&category_id=1060

< ―「ベッドが足りない」とよく聞くけれど、日本の病床数は世界トップクラスのはず。なぜ不足するの?

 確かに日本の病床数は群を抜いている。経済協力開発機構(OECD)の調査では、千人につき13・0床。米国(2・9床)や英国(2・5床)を突き放し、加盟国で最も多い。ただ広島市のある総合病院の医師は、こう指摘する。「ベッドがあるだけでは患者は受けられない。大事なのは『人』なんです」

 OECDはこんなデータも出している。米国では入院ベッド10床を9・4人の医師が診ている。ところが日本は10床当たりの医師数が1・9人しかいない。看護師数にしても、10床当たり8・7人。米国の42人を大きく下回る。病床が多すぎて、医師や看護師が分散してしまうのだ。他国と比べても、日本は病床当たりの医療人材が少ない。

 この医師の勤め先は、コロナ患者を精力的に受け入れてきた。重症者は急変の恐れがある。24時間の手厚いケアが要るため、患者5人を看護師約30人で診ている。「しかも誰でもいいわけじゃない」。症状が重い人の看護や感染制御の知識と経験が要るのだと、この医師は言う。「感染の不安を抱え、心身をすり減らしながら、使命感で必死に診ているんです」

 ―そうは言っても、今は「緊急事態」。コロナ治療にもっと力を注げないの?

 広島県は、各医療機関に「コロナ体制」へのシフトを求めてきた。感染の広がりに応じ、確保するベッド数の目安を設定。平常時の「フェーズ0」は200床だが、今は緊急度の最も高い「フェーズ4」とし、700床に増やしている。ただ、ある院長は「限界まで増やしてきたが、これ以上は危険だ」と打ち明ける。

 この病院はコロナ患者を受け入れるため、一般患者約50人が入院していたフロアを空けた。それでも、受け入れられるコロナ患者は半分以下の約20人。ベッドの間隔を離し、仕切りを設けるなど、コロナならではの対応が要るためだ。

 院長は「コロナ病床を増やすほど、他の病気の受け入れは当然、難しくなる」と強調する。実際、白内障の手術や検査入院は延期している。「でも脳梗塞やがんなど、命に関わる病気に『延期』は通用しません」。どの医療を優先し、どこを削るのか、国の基準が示されているわけでもない。判断を現場に委ねられ、精神的な負担も大きいという。

 別の受け入れ病院の医師は「一般の患者に転院などの不便を強いた」と憂える。そもそも病床はいっぱいで、背景には国の施策もある。医療費を削るため、入院日数を切り詰め、ベッドの回転率を上げるよう迫られてきた。「うちは病床稼働率95%超で、ぎりぎり採算が取れるかどうか。大半の病床が既に埋まっているのに『コロナもやれ』なんて…」と嘆く。

―コロナ患者の入院に対応していない民間病院も多い。なぜ協力できないの?

 広島県は個別の名前を公表していないが、県内では36病院がコロナ患者を受け入れている。確かに、その大半が公立・公的病院だ。「一部の病院に負担が集中し過ぎだ」と漏らす医師もいる。

 だが、市内の民間病院の院長は「限られたベッドをコロナ患者用に振り向けるとなると、かなりの努力が必要」と明かす。今は救急患者を積極的に受け入れているが、その患者のためのベッドが足りなくなれば、救急の受け入れを制限せざるを得なくなる。

 また「医療は一つの病院で完結しないことを知ってほしい」と力を込める。急性期、回復期、慢性期―。患者は症状に合わせて病床を移るため、どこかが機能不全になると地域医療が回らなくなってしまう。

 東京、大阪などの大都市と違い、県内の民間病院の多くは150床に満たない中小規模だ。感染が疑われる人と一般患者の動線を分けることが難しい病院も少なくない。この院長は言う。「民間病院は人手が少なく、余裕がない。コロナ患者の対応に伴って風評が広がれば、患者が減って経営危機に陥る恐れもある」

 政府は、重症者病床を設けた医療機関に1床当たり最大1950万円を補助するなど体制整備を後押しする。が、なお不十分との声もある。全国知事会は、コロナ対応で減収となった病院への補償や、院内感染が起きた際の経営支援も求めている。

 一方、協力の輪も広がりつつある。市内のある中規模病院は先月、危機は脱したものの、退院させるには早いコロナ患者の受け入れを始めた。そうすれば、その患者が使っていた重症者用の病床を一つ、空けられるからだ。院長は「がん手術を控えた人も多く、院内感染は絶対に起こせない。でも、今は非常時。うちも役割を負いたい」と話す。>

2021-09-08

日本の医療の実態と限界

本当に厳しい現実…

<新型コロナ診療は、大きな空間(ゾーニング)と、多くの人手を要することから、コロナ病床増床のためには、その倍から数倍の一般病床の減少が必要となるという昨年11月のスレッド。これは医療者の予防接種が進んだ現在もデルタ変異出現のため、基本的には変わらない。>
0819
https://twitter.com/inakashoge/status/1428278404252536834

<新型コロナ診療を大幅に増加させつつ、日常診療もある程度継続していくことを可能にするには、基幹病院に医療資源を集中、大型化する必要がある。そして患者数に応じて感染症病床と一般病床の割合いを可変することで対応する。その為には中小病院は再編対象となるため、短期的には実現は難しい。

将来のパンデミックのためにも、政府は近未来の医療提供体制の青写真を描き国民医提示すべきと考えている。
コロナ禍以前から、勤務医の過労死水準の労働時間でなんとか維持されてきた日本の医療システムは既に破綻していたのであるから。普段から余力が無ければ危機に際して頑張ることも出来ない。

日本の医療システムの欠陥は中小病院の乱立です。今回の様な危機に際して、他国の様な病院内での機能の組み替えが困難であり、人員配置も適正に行われず皆が疲弊してしまう。大事なことは都市部での急性期病院の集約化、大型化です。それがパンデミック対策になるということ。

私立病院が多い日本では、緊急時のスタッフの柔軟な異動は困難で、集約化も進みません。
集約化に向け強制力を持つのは、医療法改正によるスタッフ定員数の変更や、他業種並みに労基法の運用を求めること。その際都市部に過剰に急性病院が残ることは避ける必要があります。

コロナ禍以前から、勤務医の4割超は過労死水準以上の時間外労働を行い、1割が過労死水準の2倍となる2024年からの労働時間上限規制を超えています。
また、実質夜勤を宿直扱いとするなど労基法違反は多くの施設で常態化しており、それを適法化すれば隠されていた医師不足が露呈します。

世界一多い日本の病院数を維持することは、今の医師数では不可能であるという前提条件を共有すべきです。
それを直視しなければ今後の医療のあるべき姿も見えてきません。
医師養成数増は短期的には対策として無回答となります。急性期病院の再編は避けては通れません。>

2021-09-08

日本の医療の限界

現実は厳しんですね…

<コロナ前から医療費40兆超えで国家財政が青息吐息なのに
これ以上どこに医療設備を増設する余裕があると思っているのか。>
2021年8月19日
https://twitter.com/Calcijp/status/1428335478936272899

<日本の医療をどうするかって提言は昔からあるけど、
国民が医療の質の低下を受け入れないだろうからもう詰んでるんですよ。>
2021年8月20日
https://twitter.com/Calcijp/status/1428489817218715649

2021-09-07

ウイルスの巣窟

人体はウイルスの巣窟って話
感染症の本とか、読むと出で来ますね。
これも
メモメモ…

<哺乳類の胎盤形成にはウイルスが関与しており、その遺伝子は順次置き換わることができる>
a.u-tokyo.ac.jp/topics/2015/20151005-1.html

<つか人体っつか動物、むかしっからウイルスの巣窟で、
そのウイルスが引き起こしたゲノム変化が進化に影響齎してきたし(リンク先参照)、
なんなら今でもお前の身体億だか兆だか大量の種類の細菌とかウイルスとか住んでるから、
それを全部攻撃してらんないんだよ免疫は。>
2021年8月24
https://twitter.com/MoterSensha/status/1429856802133315586

<全部ぶっとばす、ってなったら
それこそ人体の細胞全部ぶっとばすぐらいの無茶苦茶やるはめになるから、
自滅もいいとこで、
そうなんないよう「細胞攻撃しようとするヤバイやつ」
「攻撃食らってウイルス生産機になった細胞」を攻撃するよう識別してるわけ。>
https://twitter.com/MoterSensha/status/1429857196272066563

<そのへんの根本をわかってないと、
多分なんだかわからんが ウイルスと細菌は全部悪いやつで敵という雑認識になっちまうんだろうなあ。
(味噌とかヨーグルトとか細菌の巣窟だぞあれ、食っても害がないだけで)
(腸の中も細菌だらけだし)
(無菌にしたら逆にまずいやつ)>
https://twitter.com/MoterSensha/status/1429857645712711690





2021-09-06

奇跡ような技術-ワクチン

これもこれも
本当にすごい技術だよねぇ。
メモメモ…

<そういえば若いのがワクチン拒否で意外に思い、理由を詳しく聞いてみたところ
「信用できない」「怖い」とのことで、
(※20そこそこ)まず信用できないという理由だが「たった一年もしないで完成するはずがない」という。
いや、mRNAワクチン自体はものすごい長い基礎研究の末にやっと実用化にこぎつけた奇跡のような技術だからね。>
8月24日
https://twitter.com/kyuumaruTK/status/1429836201549123585

<・免疫はヤバそうなのがいてヤバそうなことしてると
攻撃して殺そうとしつつ、こいつの特徴覚えたから殺すぞを学習する能力がある

・mRNAワクチンは
細胞にその敵の「特徴」だけを作らせて
「特徴」だけを攻撃させる
(ただ攻撃の際どうしても余波でダメージが出る、それが副反応)

・で、いざ新型コロナが来た場合、
敵の「特徴」であるスパイクタンパク質を免疫は『学習済み』なので
『こいつは殺せ!』と迅速に攻撃に移りぶっ殺したりする。
(この辺の防衛反応は会社のワクチンごとによってちと違う、ともかく新型コロナから身体を守るのは間違いない)

なお、ワクチンなしでいきなり新型コロナに侵入食らった場合、
免疫は攻撃していいかわからない
人体には普段からメチャクチャウイルスが棲んでおり、そいつら全員攻撃してらんない
ので、スルーする。
すると新型コロナはチャーンスって細胞ジャックして超増える。

体内中新型コロナウイルスまみれで、
そいつらは体中のいろんな細胞入ってかたっぱしから増えるし、
免疫は免疫で うおおどいつが敵じゃあ
ウイルスだけじゃねえ ウイルスに乗っ取られた細胞も殺せエエエで
体中で派手にやったる! 一心不乱の大戦争じゃ!

んで大戦争状態に成り果てた挙げ句、免疫の挙動や戦争に身体がついていけなくなり、
サイトカインで身体がバグってぶっ壊れだすのがサイトカインストーム。
ここまでくるとほぼベルカ式国防術(ただしベルカが地図から消滅する)。

まとめ
・免疫は学習能力があり、訓練すると「こいつは殺さないと駄目だ」をおぼえます
・免疫に「こいつでたら殺せ」と訓練用ターゲットを出して
学習・訓練させるのがmRNAワクチンです。ウイルスの死骸とかより効果的に訓練できます
・訓練は複数回行うとより免疫が学び対応力上がります。>

https://twitter.com/MoterSensha/status/1429846791235641364
https://twitter.com/MoterSensha/status/1429849603617161221

2021-09-05

魔法のようなワクチン?

よくわからないけど、奇跡のような魔法のようなすごい技術だということなんですね。
メモメモ…

<学生時代に生物学を齧っていた身としては、
mRNAなんてクソ壊れやすい分子を体外から細胞内に届けるなんて、
ビルの壁に向かってプリンを投げつけて
無傷のままビル内のテーブルの上にお出しするようなもの…ってイメージを抱く。
充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。>
2021年8月23日
https://twitter.com/rootport/status/1429665864463261704

<いやマジで一般向けのパンフレットには
「脂質の膜で包むと細胞膜を越えられますウインクした顔」
とか一行で説明されていて、いやいや御冗談を……みたいな気分になる。

DNAやmRNAを生きている体細胞に体外から導入できるってことは、
原理的には後天的な遺伝子組み換えができるってことだよな。すげえや!

さらに、核酸が自然免疫を活性化しにくい工夫をして、
抗原として働きやすいよう、確か三量体になる工夫を加え、
抗原提示細胞に(選択的に)取り込みやすくしてますからね。
4種類位の違うプリンを投げて、それを、それぞれ注文した人の前に着陸?させてるくらいの魔法。

ruo.mbl.co.jp/bio/product/epigenetics/article/gene-expression.html
この辺がわかり易いかも
でも実は理研が2004年に発表してる話でも初めて解明とか言ってる位なんとなくな理論だったりします
http://spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_14/
DNA(永久保存用)
RNA(一時保存用)
mRNA(使い捨て)
のイメージでだいたいokと思います
mRNAは体内酵素で分解されます

その魔法のような技術のもう少し詳しい説明は、こちらではないかと。

mRNAワクチン:新型コロナウイルス感染を抑える切り札となるか?
投稿者 飯笹 久(島根大学学術研究院医学・看護学系)
https://www.rnaj.org/component/k2/item/855-iizasa-2>

2021-09-04

「mRNAワクチン」の生みの親

これも!
メモメモ…

「mRNAワクチン」で人類を救ったカタリン・カリコ博士の物語
山田順
作家、ジャーナリスト
7/5(月) 17:37
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20210705-00246499

2021-09-04

ワクチン摂取速度

すごい!

<ちなみに「国際的にみて日本はワクチン接種が遅れてる」と
ワイドショーなどのマスコミは煽ってますが、
直近の接種速度は世界一でぶっちぎりです。>
8月10日
https://twitter.com/hidetomitanaka/status/1425037927801786370

<この難易度でここまでのハイスコアを叩きを出しても、
いまだに多くの人に「日本はワクチンが遅い」と思い込ませてるマスコミすごいなって。
①人口100万人あたり累計死者数
②ワクチン信頼度(昨年9月)
③ワクチン接種率
④人口100人あたりの1日の接種回数>
8月23日
https://twitter.com/xAegvg0JipIY0hD/status/1429739317186895873

2021-09-03

mRNAワクチン 忘れられたヒーロー

『ワクチンを可能にした科学者の知られざる物語 』
胸熱です~!
メモメモ…
後でじっくり読もう!

<<mRNAワクチンをもう打った人も、これから打つ人も、
ワクチンに使われた技術が人知れず地道な基礎研究で数十年かけて磨き上げられて、
何十億人のヒトの腕に注射された、その過程に想いを馳せて欲しいなぁと思います。
mRNAワクチンを世に出したのは、有名無名の研究者達なんですよね。
0818
https://twitter.com/VaccineWatch/status/1427960296367280129

Forbesのこの記事、めちゃめちゃ面白かったです。
mRNAワクチンに使われているLNP技術の開発をめぐるドロドロの人間模様、
特許の権利を争う訴訟など。映画化希望。
LNPの実用化に重要な貢献をしたIan MacLachlan博士が注目されず、
一銭も報酬を得られていないのは残念です。
https://twitter.com/VaccineWatch/status/1427954185937448960

凄いボリュームの記事。これ取材するの大変だったはず。
LNP技術の開発に関わった研究者達や、
早くからLNP技術に目をつけていたKariko Katalin博士が出てきたり、
mRNAワクチンの実用化の歴史や背景が分かって面白いです。
ただLNP特許の権利関係は、ややこしすぎて記事を読んでも理解できなかったです
https://twitter.com/VaccineWatch/status/1427955286816432129

【Forbes・自動翻訳】Covid-19の忘れられたヒーロー:ワクチンを可能にした科学者の知られざる物語
https://note.com/crimnote/n/n9e77f95410d3>
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