2014-04-21
『野蛮』の捏造
岡倉登志氏によると、
「帝国主義時代にアフリカで活躍し、アフリカ人からは民族の英雄と讃えられている人物を、
ヨーロッパ人はしばしば 残忍・野蛮あるいは狂人・好色漢に仕立て上げた」のだそうです。
『四枚の羽根』のマフディもその典型とか。
そしてヴィクトリア朝後期の英国では、
大衆演劇や音楽ホールでしばしばアフリカが素材に取り上げられていたそうだ。
ひとつは『ハルツームのゴードンもの』や『ボーア戦争も の』など英国国民の帝国意識の高揚を喚起するもの。
ひとつは『暗黒のアフリカ『野蛮なアフリカ』を刻みつけるもの。
ズールー王国やジンバブウェを題材にしたもの。
南部アフリカでの大英帝国の軍事行動と支配に国民の合意を取り付けるため。
ズールー族長テセワヨが捕らえられ、国事犯として幽閉されている時、
1882年に『ズールー族長』『最後のケチュワヨ』が上演され、
野蛮で残忍なアフリカの指導者に仕立て上げられたそうだ。
その人気に、10万ドル払うから彼を五年間「展示したい」という興行主が現れたほどだという。
また1899年の大英博覧会でも
「アフリカの野生生活のリアルで真に迫る野蛮な南アフリカ」というイベントが催され、
模擬「南アフリカ村」よは一七四人の先住民が連れてこられ、展示されていたという。
これは1877年以降フランスで催された「民族博」と全く同じで、
1811年以来、英国がアフリカの「野蛮」を示すのに用いる「伝統」の一つになっていたという。
(『「野蛮」の発見』)
デマと宣伝は戦争の前にも広められた。
ズールー族が侵略的で危険な勢力で、セテワヨは血に飢えた暴君だと。
当初ナタールの原住民問題担当官だったが、
開戦前に英国が併合したトランスヴァールの行政官となったシェプストンと
英国の南アフリカ高等弁務官フレアによって。(『ユネスコ アフリカの歴史』)
イサンドルワナの戦いはズールー軍およそ三万が一万二〇〇〇人の英国軍相手に、
「近代兵器の量と質の不利をものともせずに」白昼の戦闘で大勝利をおさめたのだ。
彼によると、とにかく英国軍のイサンドルワナの戦いの敗北のショックは相当なもので、
「裸足の野蛮人に虐殺される」というイメージが広められ、
有名な諷刺誌『パンチ』でも報じられ、幻灯機を活用した大衆教育も盛んだったという。
「日本でも上映された『ズールー戦争』では、
ズールー族は西部劇に登場するアメリカ・インディアンのように獰猛な集団として扱われている」とのこと。
(岡倉『アフリカの歴史』)
「帝国主義時代にアフリカで活躍し、アフリカ人からは民族の英雄と讃えられている人物を、
ヨーロッパ人はしばしば 残忍・野蛮あるいは狂人・好色漢に仕立て上げた」のだそうです。
『四枚の羽根』のマフディもその典型とか。
そしてヴィクトリア朝後期の英国では、
大衆演劇や音楽ホールでしばしばアフリカが素材に取り上げられていたそうだ。
ひとつは『ハルツームのゴードンもの』や『ボーア戦争も の』など英国国民の帝国意識の高揚を喚起するもの。
ひとつは『暗黒のアフリカ『野蛮なアフリカ』を刻みつけるもの。
ズールー王国やジンバブウェを題材にしたもの。
南部アフリカでの大英帝国の軍事行動と支配に国民の合意を取り付けるため。
ズールー族長テセワヨが捕らえられ、国事犯として幽閉されている時、
1882年に『ズールー族長』『最後のケチュワヨ』が上演され、
野蛮で残忍なアフリカの指導者に仕立て上げられたそうだ。
その人気に、10万ドル払うから彼を五年間「展示したい」という興行主が現れたほどだという。
また1899年の大英博覧会でも
「アフリカの野生生活のリアルで真に迫る野蛮な南アフリカ」というイベントが催され、
模擬「南アフリカ村」よは一七四人の先住民が連れてこられ、展示されていたという。
これは1877年以降フランスで催された「民族博」と全く同じで、
1811年以来、英国がアフリカの「野蛮」を示すのに用いる「伝統」の一つになっていたという。
(『「野蛮」の発見』)
デマと宣伝は戦争の前にも広められた。
ズールー族が侵略的で危険な勢力で、セテワヨは血に飢えた暴君だと。
当初ナタールの原住民問題担当官だったが、
開戦前に英国が併合したトランスヴァールの行政官となったシェプストンと
英国の南アフリカ高等弁務官フレアによって。(『ユネスコ アフリカの歴史』)
イサンドルワナの戦いはズールー軍およそ三万が一万二〇〇〇人の英国軍相手に、
「近代兵器の量と質の不利をものともせずに」白昼の戦闘で大勝利をおさめたのだ。
彼によると、とにかく英国軍のイサンドルワナの戦いの敗北のショックは相当なもので、
「裸足の野蛮人に虐殺される」というイメージが広められ、
有名な諷刺誌『パンチ』でも報じられ、幻灯機を活用した大衆教育も盛んだったという。
「日本でも上映された『ズールー戦争』では、
ズールー族は西部劇に登場するアメリカ・インディアンのように獰猛な集団として扱われている」とのこと。
(岡倉『アフリカの歴史』)
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