2016-10-31

『少女小説から世界が見える』

大変面白かったです~!
アニメの『ペリーヌ物語』好きだったんですよね~。
アフリカ本を書いている時、
「お父さんがインドに行って…」という設定が実はけっこう多かった理由というのを
ちょっと聞いたことがあって、
もう目から鱗で、ちょっとしたカルチャーショックだった!
これも、大英帝国の遺産の一つなんだなあと感心したことがあり。
なんとなく、気になっていたんです。 
このテーマ~当時の文学を歴史的に見ると面白いかも。

ただ、こういう本が出ていたとは知らなくて、
友達が面白いよ~って言っていたので、
あわてて図書館に! (絶版なんです。しかも古書の値段がクレイジー)
ありがたいです図書館!

語り口も上手だし、まとめ方もうまい。
まったく無駄がなくて、隅から隅まで読みごたえあり!
凝った装丁のページもあって。
これだけ濃密な本は珍しい!

おとぎ話のようなもの、ある種のファンタジーかと思っていたら、
実は当時の時代背景を色濃く反映していた。
『若草物語』の南北戦争当時のアメリカの状況
イギリスとアメリカの家庭環境と子供の存在・地位の違い
さらにアメリカやカナダの風景描写の美しさ
共通点として孤児であること。
社会的・ 心理的性別が曖昧~おてんばだったり、男の子のようだったり。
そして既成概念、因習的な大人や価値観に挑戦していく。
<言葉の力>を武器にして

資本主義の発展と戦争によって、家族と女性、子供、少女のあり方や生活が変わっていく。

『家なき娘』(ペリーヌ物語)が実は社会主義の実験モデルだった?
そこに大英帝国の植民地インドとお父さんが絡み、
インドへのヨーロッパの差別意識によるお母さんの悲劇と
イギリスの工場(産業革命)がさらに絡み、
ペリーヌのバイリンガルの能力とサバイバル能力
行動範囲の広さ、「境界」超える能力で次々と壁をぶち壊していき、
傷ついた支配者オイディプスを癒すアンティゴネの役割も果たす
ペリーヌってすごかったんだ!
でも智略に長けた賢さとか、インド人の母ゆずりの容貌が抹殺されていく?

『小公女』のセーラはインド生まれの英仏のバイリンガルで闘う戦士!
「インドの王様のお姫様」から「高貴なマリーアントワネット」を経て、「大英帝国のレディ」になる?

アニメになった少女小説の改変の解説も面白い
そばかすと赤毛の主人公たちの秘密?とか
カナダ版『オペラ座の怪人』?
『続あしながおじさん』と『ジェイン・エア』の危険な関係はダーウィニズムの影響の系譜?

『長靴下のピッピ』が『赤毛のアン』のパロディ?
ピグマリオン幻想とシンデレラ幻想の共依存?
無邪気な『少女パレアナ』は策士?
「狂女」の系譜
戦争体験がいかに女性の世界を変えたか…などなど、
少女小説に潜んでいる秘密がいっぱい!

mundonina2006.jpg

『少女小説から世界が見える』
    ペリーヌはなぜ英語が話せたか
川端有子
 河出書房新社 2006

<ジョー、ペリーヌ、セーラ、アン、ジュディ、いつの時代も女の子は懸命に生きていた。
若草物語、家なき娘、小公女、赤毛のアン、あしながおじさん…
世界中の少女たちに100年以上読みつがれてきた“少女小説”を今、
歴史のなかにおきなおすと、未知の物語が見えてくる!!
あの頃夢中になった物語に隠された真実とは?
“少女小説”の系譜をたどりなおす、新たな試み。 >
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