2022-03-13
増補新版 ペルシア文芸思潮
出版のお知らせが来ました~。
昔のは持っているんですけど、新しいのが出たそうです。
黒柳恒男
『増補新版 ペルシア文芸思潮』
東京外国語大学出版会
2022年3月1日発売
<イランの精髄は文学に学べ――入門書の決定版が新たな装いで復活
初版刊行から45年を経てなお、日本語で読める唯一のペルシア文学概説書が、
新しく充実した文献案内とより網羅的な索引等を収録して復活!
千年以上にわたる近世ペルシア語文学の流れを、ふんだんに詩作品の翻訳を交えながら、
一般読者にも読みやすいよう平明かつ簡潔にまとめた1冊。
イランの人々の精神文化の中心にある、
フィルドウスィー、オマル・ハイヤーム、サアディー、ルーミー、ハーフィズらの古典詩に、
日本語で一度に触れられるのは本書以外にない。
各時代の文学潮流を知るにとどまらず、イラン通史、特に文化史を理解する道しるべともなる。
1977年に発刊されました黒柳恒男先生の『ペルシア文芸思潮』(近藤出版社)が、
この度、東京外国語大学出版会から増補新版として、3月1日に発刊されました。
東京外国語大学のペルシア語科の創設にご尽力され、
同大学におけるペルシア語教育の礎を築いた故・黒柳恒男先生が紐解いた
豊饒なペルシア文学の世界を知ることのできる貴重な書で、旧版は出版社の廃業により長らく絶版となっていました。
この度の増補新版発刊にあたり、
佐々木あや乃教授(東京外国語大学大学院総合国際学研究院)が原文再読と校正を担われました。
また、旧版発刊以降40余年の間のペルシア文学研究の進展も反映させるべく、
「さらに知りたい人のための文学案内」を徳原靖浩氏と中村菜穂氏のお二人が執筆されています。 >
編集に関わった徳原特任氏による紹介記事
http://u-parl.lib.u-tokyo.ac.jp/archives/japanese/this_book15
http://www.tufs.ac.jp/blog/tufspub/#shinkan
【アジア研究この一冊!】黒柳恒男『増補新版 ペルシア文芸思潮』
特任助教 徳原靖浩
`<『ルバイヤート』『アラビアン・ナイト』
ニザーミーの『七王妃物語』、『ホスローとシーリーン』、
アッタールの『神秘主義聖者列伝』、『鳥の言葉』、『神の書』、
フィルドウスィー『王書』、サアディー『薔薇園』、『果樹園』、ハーフィズ詩集など、
原典からの日本語訳は増えているが、
これら珠玉の名作を生み出してきた鉱脈の全貌について知るためには、
やはりペルシア文学史を紐解く必要がある。
『ペルシア文芸思潮』(近藤出版社、1977年)は、
東京外国語大学のペルシア語科の創設に尽力し、
同大学におけるペルシア語教育の礎を築いた故・黒柳恒男氏による
ペルシア文学史であり、日本語でまとまった形で読めるものとしては唯一のものである。
蒲生礼一氏の衣鉢を継いだ黒柳氏による『ペルシア文芸思潮』は、
アラビア文字を表記に採用した書き言葉としての近世ペルシア語の形成から
20世紀(1970年代まで)にいたるペルシア文学の歴史を扱い、
しかもコンパクトな1冊の書物にまとめたという点で、
上記の先行する著作とも、欧米の大部の書物とも一線を画するものである。
そこには、将来外交や貿易の世界で活躍する学生たちに、
イランの人々と付き合う上で必要最低限の文学史に関する知識を授けたいという
教育的な意図もあったのかも知れない。
10世紀から16世紀頃までの詩と詩人に関する記述に大きな比重をおきつつも、
第5章でサファヴィー朝以降の「文学の衰退時代」、
第6章で「近代文芸の流れ」について論じている。
詩に比して扱う分量は少ないものの、
歴史書や物語文学などの散文学の流れについても目配りがなされており、
時代ごとに主要な作品が紹介されている。
また、本書にはペルシア語原典から翻訳した詩もふんだんに挿入されているから、
ペルシア詩の主題や内容についても知ることができる。
そして、詩人や作家の伝記や作品の帰属についての議論や文献に関する記述では、
当時のイランや欧米の研究成果が紹介されていることに加え、
文献から得た知識だけでなく
著者自身がイランの学者との交流で得た知見もところどころに反映されているから、
その点でも独自の価値を持つものであることは強調しておきたい。
本書を復刊するにあたって、
旧版の刊行から40余年の間のペルシア文学研究の進展を反映させるかどうか、
させるとしたらどのように反映させるかということは、大きな検討課題の一つであった。…>
http://u-parl.lib.u-tokyo.ac.jp/archives/japanese/this_book15
昔のは持っているんですけど、新しいのが出たそうです。
黒柳恒男
『増補新版 ペルシア文芸思潮』
東京外国語大学出版会
2022年3月1日発売
<イランの精髄は文学に学べ――入門書の決定版が新たな装いで復活
初版刊行から45年を経てなお、日本語で読める唯一のペルシア文学概説書が、
新しく充実した文献案内とより網羅的な索引等を収録して復活!
千年以上にわたる近世ペルシア語文学の流れを、ふんだんに詩作品の翻訳を交えながら、
一般読者にも読みやすいよう平明かつ簡潔にまとめた1冊。
イランの人々の精神文化の中心にある、
フィルドウスィー、オマル・ハイヤーム、サアディー、ルーミー、ハーフィズらの古典詩に、
日本語で一度に触れられるのは本書以外にない。
各時代の文学潮流を知るにとどまらず、イラン通史、特に文化史を理解する道しるべともなる。
1977年に発刊されました黒柳恒男先生の『ペルシア文芸思潮』(近藤出版社)が、
この度、東京外国語大学出版会から増補新版として、3月1日に発刊されました。
東京外国語大学のペルシア語科の創設にご尽力され、
同大学におけるペルシア語教育の礎を築いた故・黒柳恒男先生が紐解いた
豊饒なペルシア文学の世界を知ることのできる貴重な書で、旧版は出版社の廃業により長らく絶版となっていました。
この度の増補新版発刊にあたり、
佐々木あや乃教授(東京外国語大学大学院総合国際学研究院)が原文再読と校正を担われました。
また、旧版発刊以降40余年の間のペルシア文学研究の進展も反映させるべく、
「さらに知りたい人のための文学案内」を徳原靖浩氏と中村菜穂氏のお二人が執筆されています。 >
編集に関わった徳原特任氏による紹介記事
http://u-parl.lib.u-tokyo.ac.jp/archives/japanese/this_book15
http://www.tufs.ac.jp/blog/tufspub/#shinkan
【アジア研究この一冊!】黒柳恒男『増補新版 ペルシア文芸思潮』
特任助教 徳原靖浩
`<『ルバイヤート』『アラビアン・ナイト』
ニザーミーの『七王妃物語』、『ホスローとシーリーン』、
アッタールの『神秘主義聖者列伝』、『鳥の言葉』、『神の書』、
フィルドウスィー『王書』、サアディー『薔薇園』、『果樹園』、ハーフィズ詩集など、
原典からの日本語訳は増えているが、
これら珠玉の名作を生み出してきた鉱脈の全貌について知るためには、
やはりペルシア文学史を紐解く必要がある。
『ペルシア文芸思潮』(近藤出版社、1977年)は、
東京外国語大学のペルシア語科の創設に尽力し、
同大学におけるペルシア語教育の礎を築いた故・黒柳恒男氏による
ペルシア文学史であり、日本語でまとまった形で読めるものとしては唯一のものである。
蒲生礼一氏の衣鉢を継いだ黒柳氏による『ペルシア文芸思潮』は、
アラビア文字を表記に採用した書き言葉としての近世ペルシア語の形成から
20世紀(1970年代まで)にいたるペルシア文学の歴史を扱い、
しかもコンパクトな1冊の書物にまとめたという点で、
上記の先行する著作とも、欧米の大部の書物とも一線を画するものである。
そこには、将来外交や貿易の世界で活躍する学生たちに、
イランの人々と付き合う上で必要最低限の文学史に関する知識を授けたいという
教育的な意図もあったのかも知れない。
10世紀から16世紀頃までの詩と詩人に関する記述に大きな比重をおきつつも、
第5章でサファヴィー朝以降の「文学の衰退時代」、
第6章で「近代文芸の流れ」について論じている。
詩に比して扱う分量は少ないものの、
歴史書や物語文学などの散文学の流れについても目配りがなされており、
時代ごとに主要な作品が紹介されている。
また、本書にはペルシア語原典から翻訳した詩もふんだんに挿入されているから、
ペルシア詩の主題や内容についても知ることができる。
そして、詩人や作家の伝記や作品の帰属についての議論や文献に関する記述では、
当時のイランや欧米の研究成果が紹介されていることに加え、
文献から得た知識だけでなく
著者自身がイランの学者との交流で得た知見もところどころに反映されているから、
その点でも独自の価値を持つものであることは強調しておきたい。
本書を復刊するにあたって、
旧版の刊行から40余年の間のペルシア文学研究の進展を反映させるかどうか、
させるとしたらどのように反映させるかということは、大きな検討課題の一つであった。…>
http://u-parl.lib.u-tokyo.ac.jp/archives/japanese/this_book15
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