2022-07-08
『貧者のスープ』
続き
<エリート料理人街道まっしぐらのソワイエだけど、転機が訪れる。
1845年、アイルランドで飢饉が発生。
主食であったジャガイモが一斉に疫病に感染し、アイルランド人は飢餓に苦しんだ。イングランドの植民地であるアイルランドでは小麦はイングランドに流され、貧民はジャガイモを食べるしかない。
https://twitter.com/elizabeth_munh/status/1543428450572455937
欲深いイングランド人の農主達はアイルランド人が飢えても構わず小麦を輸出したので、アイルランドの人口は最終的に半分になった。
この危機にソワイエが派遣されるけど、現地の状況にソワイエは衝撃を受ける。
痩せ細った人達に料理を届けようとしても、そもそも何もない。
限りある食材の中でソワイエは最善を尽くし、『貧者のスープ』と称される、可能な限り味と栄養に気を払った料理を届けた。それでも焼け石に水で、アイルランド人はばたばたと餓死し、祖国に見切りをつけてアメリカに渡る。
エリート料理人ソワイエの心に火が灯った。
『美味しい料理を万人に届けるべし』
料理書を執筆し、キッチンの改善に励み、上流でなくても、素材に限りがあっても美味しい料理を届けられるよう、ソワイエは尽力。貧者向けに無料で施してもいたけど、それも手を抜かない。
やがてクリミア戦争が始まると、彼は従軍した。
現地の状況は酷いもので、兵士達は不衛生な環境で栄養価の乏しいものを食べていた。兵士達は輪番で料理しており、将校達は自分の家から料理人を連れてきている。負傷兵の状況はなおひどく、彼らは弱った身体で犬の餌のようなものを食べて死んでいった。
ソワイエの心が燃える。
「以後は俺が仕切る! 臨死の兵士にも不味いものは食わせん! 連隊ごとに俺の弟子を配置しろ!」
傷病兵の看護にナイチンゲールが活躍する一方、食はソワイエが統括し、死ぬに任されていた兵士たちに可能な限り栄養と品質に配慮した食事が届けられる。
エリート街道まっしぐらで、イギリスの食の頂点に達したソワイエはこうして、砲弾降り注ぐ戦場の料理人となり、戦争中、野営のテントの中でも構わず万人のための美食を追求し、限られた食材を如何に美味に調理するかを研究し、発表した。やがてその本はベストセラーとなる。>
https://twitter.com/elizabeth_munh/status/1543431612943462401
Alexis Soyer
『The Gastronomic Regenerator』
(イギリスではソイヤー)
忘れられたセレブ・シェフの「万人のテーブル」 〜アレクシス・ブノワ・ソワイエ〜
https://riff.opensauce.co/fighting-cook-alexis-benoit-soyer/
<エリート料理人街道まっしぐらのソワイエだけど、転機が訪れる。
1845年、アイルランドで飢饉が発生。
主食であったジャガイモが一斉に疫病に感染し、アイルランド人は飢餓に苦しんだ。イングランドの植民地であるアイルランドでは小麦はイングランドに流され、貧民はジャガイモを食べるしかない。
https://twitter.com/elizabeth_munh/status/1543428450572455937
欲深いイングランド人の農主達はアイルランド人が飢えても構わず小麦を輸出したので、アイルランドの人口は最終的に半分になった。
この危機にソワイエが派遣されるけど、現地の状況にソワイエは衝撃を受ける。
痩せ細った人達に料理を届けようとしても、そもそも何もない。
限りある食材の中でソワイエは最善を尽くし、『貧者のスープ』と称される、可能な限り味と栄養に気を払った料理を届けた。それでも焼け石に水で、アイルランド人はばたばたと餓死し、祖国に見切りをつけてアメリカに渡る。
エリート料理人ソワイエの心に火が灯った。
『美味しい料理を万人に届けるべし』
料理書を執筆し、キッチンの改善に励み、上流でなくても、素材に限りがあっても美味しい料理を届けられるよう、ソワイエは尽力。貧者向けに無料で施してもいたけど、それも手を抜かない。
やがてクリミア戦争が始まると、彼は従軍した。
現地の状況は酷いもので、兵士達は不衛生な環境で栄養価の乏しいものを食べていた。兵士達は輪番で料理しており、将校達は自分の家から料理人を連れてきている。負傷兵の状況はなおひどく、彼らは弱った身体で犬の餌のようなものを食べて死んでいった。
ソワイエの心が燃える。
「以後は俺が仕切る! 臨死の兵士にも不味いものは食わせん! 連隊ごとに俺の弟子を配置しろ!」
傷病兵の看護にナイチンゲールが活躍する一方、食はソワイエが統括し、死ぬに任されていた兵士たちに可能な限り栄養と品質に配慮した食事が届けられる。
エリート街道まっしぐらで、イギリスの食の頂点に達したソワイエはこうして、砲弾降り注ぐ戦場の料理人となり、戦争中、野営のテントの中でも構わず万人のための美食を追求し、限られた食材を如何に美味に調理するかを研究し、発表した。やがてその本はベストセラーとなる。>
https://twitter.com/elizabeth_munh/status/1543431612943462401
Alexis Soyer
『The Gastronomic Regenerator』
(イギリスではソイヤー)
忘れられたセレブ・シェフの「万人のテーブル」 〜アレクシス・ブノワ・ソワイエ〜
https://riff.opensauce.co/fighting-cook-alexis-benoit-soyer/
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