2010-04-09
『偉大なるシルクロードの遺産』

『偉大なるシルクロードの遺産』
中央アジア オアシス国家の輝き
京都文化博物館 京都新聞社
2005
<東西交易の要路・シルクロード。
中央アジアのウズベキスタン、タジキスタンを中心に、
ヘレニズム文化などの遺跡出土品や、
イスラム様式の金工品、陶器、
多彩な民族衣装など豊饒な民族文化をはじめ、
紀元前から近代に至る壮大な文明の足跡をたどります。>
<第1部 アレクサンドロスの遺産ー偉大なるヘレニズムの遺宝
マケドニアのアレクサンドロス大王の東征に代表される、
中央アジアでのギリシャ文明の変容を、
グレコ・バクトリアのタフティー・サンギーン遺跡の出土品などから紹介>
<第2部 クシャン帝国ー仏教への帰依と騎馬民族の誇り
ギリシャ人に統治されていた中央アジアの地は、
やがてインドから北上してきたクシャン朝に征服される。
仏教を手厚く庇護し、アジアへの普及に貢献したクシャン民族は
中央アジアからインドに及ぶ広大な帝国を築きました。>
<第3部 謎の民族ソグドの華麗なる貴族文化ーよみがえるシルクロード交易の精華
オアシス都市に拠点をおくソグド人が、
交易商人としてもっとも繁栄を極めたのは 5~8世紀でした。
彼らの遺した遺産としては、
壮麗な室内装飾壁画や銀製品に見ることができますが、
サマルカンドとペンジケントに焦点をしぼり、
交易によって繁栄した貴族文化を紹介>
<第4部 イスラム美術と民族文化
8世紀以降、アラブ人の侵攻とともにイスラム教がもたらされ、
イスラム帝国が成立。壮大なイスラム建築が各地に建設されます。
中央アジアに生きる人々は、
民族ごとに様々なテキスタイル、ジュエリーによって自らを装ってきました。
ここでは、その手工業の奥深さ、豊かさを紹介>

去年、シルクロードの件で聞かれて、調べていた時に見つけた本。
シルクロードといっても範囲はとてつもなく広い。
中国(時には日本)から中央アジア・中東を通ってローマまであるのだから。
しかも草原ルート、砂漠のオアシスルート、海のルートとある。
これは中でも珍しく、中央アジアのウズベク中心の美術展のカタログだった。
そう。なんと、ウズベキスタン・タジキスタンの博物館・美術館からの出張展示だ。
ウズベキスタン国立美術館・芸術学研究所・国立工芸博物館
サマルカンド国立文化歴史博物館
タジキスタン民族考古博物館(タフテ・サンギーンの出土品・ペンジケントの壁画他)・
タジキスタン民族博物館(民族衣装・装飾品)
(工芸博物館とサマルカンドの博物館は行きました。)
よくもまあ、これでもか、というくらい、垂涎の品が来ていた。
335点。
アケメネス朝ペルシア、セレウコス朝シリア、クシャン朝、
ソグド人とゾロアスター教、イスラーム美術、民族衣装・装飾品まで。
かつて両国にまたがっていた古代のバクトリア、フェルガーナ、
ソグドディアナ、ホラズムと言われていた地域の文物。
マーワラーアンナフル、
アムダリアとシルダリアの流域
イスラーム時代はサーマーン朝、カラハーン朝、
ティムール朝治下、
後のブハラ・ハン国、コーカンド・ハン国の支配下または領土の一部。
しかもうち44点ミホミュージアム。
(紀元前の黄金の飾品やリュトン、浮彫~いやあ、よく似ているなあと思ったら…!)
6点広島県立美術館(装飾品)
ホント、よくもこれだけ集めたというか、持ってきました。
またカタログの装丁が凄い。
金かけてる。布装丁、ハードカバー、金の箔押し。
小口塗りが「三方金」。豪華絢爛。
もちろんオールカラー。264P
凄いとしか言いようが無い。
トルコで印刷。
でも何が凄いって、
写真だけで見ると、
ミホミュージアムの出展物が一番インパクトがあるんです。
(本物はどうか、わかりませんが。)
いやあ、こんなのやっていたなんて、全然知りませんでしたよ~。
やっぱり京都は凄いですね。
知っていたら飛んで行ってました。
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