2012-04-28
さまよえるグーテンベルク聖書原本
かの有名なグーテンベルク聖書の原本を特別公開するというので、
友人に誘われて、行ってきました。
高宮利行教授の特別トークも拝聴してまいりました。
1455年頃に作られた世界初の印刷聖書
当時180ほど印刷されたと思われるが、現存するのは、48部。
慶應義塾大学が上巻1冊を所蔵、
二分冊のうちの一冊。
アジアで唯一。
他はすべてヨーロッパとアメリカ
印刷後に入手した人が、装飾師を頼んで、装飾を施したという。
なので、装飾は一つひとつ、違う。
だから手書きのような迫力がある。
最初の聖書印刷がグーテンベルクと確定したのは、18世紀になってから。
実は今もオランダの教科書では、
最初に聖書を印刷したのはこのコスターだ、と記述されているそう。
マインツの金細工師グーテンベルクについては、ほとんど知られていない。
性没年も墓もなく、メモも日記もない。
現存するのは裁判記録のみ。
借金のカタに印刷機械を取り上げられたという。
なので、完成させたのは、資金援助をして、機械を取り上げたヨハン・フスト。
グーテンベルクの工房の助手シェーファーを連れてきて、作らせたという。
最後に持っていたのは、アイルランド人、
カルフォルニアの石油王の、敬虔なカトリック教徒の奥方、
死後、カルフォルニアの神学校に寄贈。
25年間はそのまま神学校にとどめて、
25年経ったら、売ってもいい、という遺言、
かくて25年後に売却され、クリスティーのオークションに。
その時、日本の丸善が100周年の記念として、この聖書の落札を試みた。
おりしも、それは1987年10月20日の火曜日で、
その前日がバブル崩壊のブラックマンデー。
史上最大規模の世界的株価大暴落。
落札に名乗りを上げていたあまたの買い手が一斉に手を引いて
丸善は、あっさりと落札。
その九年後に丸善から慶応大学へ。
丸善の創業者は福沢湯吉の直弟子で、
欧州を旅した福沢諭吉が、これからは洋書を販売する本やが必要だと、
作ったのが、丸善だとか。
慶応大学も福沢さん縁ですし。
福沢氏が現物のグーテンベルク聖書を見た証拠が見つかったという話も。
1862年、サンクト・ペテルブルグ国立ロシア図書館を訪れた時の訪問者名簿に、署名が見つかった。
当時ここにもグーテンベルク聖書があったが、それは後に売られて、大英図書館に。
聖書の豆本も展示されていて、
聞くと、それは製本の職人などが技術を磨くために作ったものだとか。
またiPadで、黄金装飾の箇所を切り抜き、CG化したものを拡大して見られ、
これもまた素晴らしかったです。
図書館展示室 展示情報
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/exhibit/
グーテンベルク聖書特別展示について(4/25-28)
<特別展示期間には大学のDMC研究センターの協力を得て、
「黄金の装飾が施されたグーテンベルグ聖書」と題するiPad展示も行います。
グーテンベルグ聖書(プロローグ)の黄金装飾の箇所を切り抜き、CG化してiPadで展示。>
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/news/news_20120330_153535
グーテンベルク聖書原本-慶応大学メディアセンター
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/exhibit/


慶應義塾図書館> 慶應アーカイブ > 貴重書 > グーテンベルク42行聖書
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/rarebook/abstracts/rare000

慶應義塾図書館デジタルギャラリー-インキュナブラコレクション036「42行聖書
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/incunabula_detail.php?id=036&lang=jp
慶應HUMIプロジェクト>treasure of keio university >Gutenberg Bible
慶應義塾図書館稀覯書画像 慶應本グーテンベルク聖書と初期印刷本
http://www.humi.keio.ac.jp/treasures/incunabula/B42-web/b42/lecture/html/00_contents/contents.html
慶應本の来歴
http://www.humi.keio.ac.jp/treasures/incunabula/B42-web/b42/lecture/html/03_provenance/provenance.html
「さまよえる聖書のいきさつ」
高宮利行(慶應義塾大学文学部教授・HUMIプロジェクト主事)
http://www.yushodo.co.jp/pinus/57/Symposium/sympT-1.html

『グーテンベルクの謎―活字メディアの誕生とその後』
高宮利行 (岩波書店)(1999)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/kato/archives/2011/04/post_250.html

富田修二 『さまよえるグーテンベルク聖書』
慶應義塾大学出版会、2002
友人に誘われて、行ってきました。
高宮利行教授の特別トークも拝聴してまいりました。
1455年頃に作られた世界初の印刷聖書
当時180ほど印刷されたと思われるが、現存するのは、48部。
慶應義塾大学が上巻1冊を所蔵、
二分冊のうちの一冊。
アジアで唯一。
他はすべてヨーロッパとアメリカ
印刷後に入手した人が、装飾師を頼んで、装飾を施したという。
なので、装飾は一つひとつ、違う。
だから手書きのような迫力がある。
最初の聖書印刷がグーテンベルクと確定したのは、18世紀になってから。
実は今もオランダの教科書では、
最初に聖書を印刷したのはこのコスターだ、と記述されているそう。
マインツの金細工師グーテンベルクについては、ほとんど知られていない。
性没年も墓もなく、メモも日記もない。
現存するのは裁判記録のみ。
借金のカタに印刷機械を取り上げられたという。
なので、完成させたのは、資金援助をして、機械を取り上げたヨハン・フスト。
グーテンベルクの工房の助手シェーファーを連れてきて、作らせたという。
最後に持っていたのは、アイルランド人、
カルフォルニアの石油王の、敬虔なカトリック教徒の奥方、
死後、カルフォルニアの神学校に寄贈。
25年間はそのまま神学校にとどめて、
25年経ったら、売ってもいい、という遺言、
かくて25年後に売却され、クリスティーのオークションに。
その時、日本の丸善が100周年の記念として、この聖書の落札を試みた。
おりしも、それは1987年10月20日の火曜日で、
その前日がバブル崩壊のブラックマンデー。
史上最大規模の世界的株価大暴落。
落札に名乗りを上げていたあまたの買い手が一斉に手を引いて
丸善は、あっさりと落札。
その九年後に丸善から慶応大学へ。
丸善の創業者は福沢湯吉の直弟子で、
欧州を旅した福沢諭吉が、これからは洋書を販売する本やが必要だと、
作ったのが、丸善だとか。
慶応大学も福沢さん縁ですし。
福沢氏が現物のグーテンベルク聖書を見た証拠が見つかったという話も。
1862年、サンクト・ペテルブルグ国立ロシア図書館を訪れた時の訪問者名簿に、署名が見つかった。
当時ここにもグーテンベルク聖書があったが、それは後に売られて、大英図書館に。
聖書の豆本も展示されていて、
聞くと、それは製本の職人などが技術を磨くために作ったものだとか。
またiPadで、黄金装飾の箇所を切り抜き、CG化したものを拡大して見られ、
これもまた素晴らしかったです。
図書館展示室 展示情報
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/exhibit/
グーテンベルク聖書特別展示について(4/25-28)
<特別展示期間には大学のDMC研究センターの協力を得て、
「黄金の装飾が施されたグーテンベルグ聖書」と題するiPad展示も行います。
グーテンベルグ聖書(プロローグ)の黄金装飾の箇所を切り抜き、CG化してiPadで展示。>
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/news/news_20120330_153535
グーテンベルク聖書原本-慶応大学メディアセンター
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/exhibit/


慶應義塾図書館> 慶應アーカイブ > 貴重書 > グーテンベルク42行聖書
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/rarebook/abstracts/rare000

慶應義塾図書館デジタルギャラリー-インキュナブラコレクション036「42行聖書
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/incunabula_detail.php?id=036&lang=jp
慶應HUMIプロジェクト>treasure of keio university >Gutenberg Bible
慶應義塾図書館稀覯書画像 慶應本グーテンベルク聖書と初期印刷本
http://www.humi.keio.ac.jp/treasures/incunabula/B42-web/b42/lecture/html/00_contents/contents.html
慶應本の来歴
http://www.humi.keio.ac.jp/treasures/incunabula/B42-web/b42/lecture/html/03_provenance/provenance.html
「さまよえる聖書のいきさつ」
高宮利行(慶應義塾大学文学部教授・HUMIプロジェクト主事)
http://www.yushodo.co.jp/pinus/57/Symposium/sympT-1.html

『グーテンベルクの謎―活字メディアの誕生とその後』
高宮利行 (岩波書店)(1999)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/kato/archives/2011/04/post_250.html

富田修二 『さまよえるグーテンベルク聖書』
慶應義塾大学出版会、2002
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